2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ材料の生成機構を科学する温度制御デバイスの開発
Project/Area Number |
16656073
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
高橋 厚史 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (10243924)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永山 邦仁 九州大学, 大学院・工学研究院, 教授 (20040446)
吾郷 浩樹 九州大学, 先導物質科学研究所, 助教授 (10356355)
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Keywords | ナノヒーター / MEMS / 電子線リソグラフィー / ナノ熱型センサー |
Research Abstract |
多数の微小抵抗が100ナノメートル以下のピッチで二次元的に配置された平面を作り、その平面上においてナノスケールでの熱の制御技術および可視化技術を構築することを目標としている。従来のMEMS(マイクロマシン)技術は大量生産を前提にするためにフォトリソグラフィーを基本としているが、それではミクロン以下のセンサーやヒーターを作ることは困難である。そこで、本研究では電子線リソグラフィーという基板にコーティングしたレジスト上に電子線で直接描画する方法によって、世界最小の平面設置用ヒーターを製作する技術の構築を進めた。 具体的には、酸化膜付きのSi基板を用いて電子線レジストをナノオーダーで描画し、白金膜を蒸着しリフトオフ法で幅100ナノ長さ2ミクロンの白金細線を作る。その周囲の酸化膜をフッ酸でエッチングすることで白金細線を基板から浮かした。これによって、基板へ逃げる熱量の少ない応答性の良いナノヒーターを作ることに成功した。このようなナノヒーターの実現は同時に取り扱い方法の開発も必要であることがわかった。例えば、微弱な静電気が容易に細線を断線させることがわかったので、その対策を確立した。 ナノ白金細線の電気伝導率や熱伝導率等の物性を計測し、センサーやヒーターとして実用にかなうことを確かめた。それらの計測において、サイズの縮小に応じて熱のキャリアーの振る舞いがバルク物質と異なるために、ヴィーデマン・フランツ則が成り立たなくなる場合があることが見出された。なお、通常の温度域では白金の持つ優れた電気的特性によって、センサーとしての性能の良さがこのサイズのヒーターでも確認できた。
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Research Products
(6 results)