2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656081
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
橋本 浩一 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 教授 (80228410)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 亮介 東北大学, 大学院・情報科学研究科, 助手 (50374989)
小野 貴彦 広島市立大学, 情報科学部・情報機械システム工学科, 助手 (20312613)
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Keywords | 微生物 / マイクロコンテナ / ビジュアルサーボ |
Research Abstract |
本研究では,微生物を自律的に運動できるコンテナと見なし,微生物群の運動を制御することで,多種多様の微小対象を効率的に輸送・分配できるマイクロ配送システムの構築を目標とした. そのための基礎成果として,1.ゾウリムシの運動制御と走電性の数理モデルに基づいた制御手法,2.高速可変焦点レンズによる焦点面の光軸方向高速スキャン,3.微生物配送の可能性探索を実施した.具体的には, 1.ゾウリムシを電位勾配の中におくと陰極方向に泳ぐことが知られている.これを走電性という.本研究では,繊毛の運動モデルを構築し,電位勾配の変化に対して繊毛運動がどのように変化し,ゾウリムシ個体がどのようなトルクを発生するかを計算した.また,顕微鏡と高速ビジョンシステムを組み合わせ,ゾウリムシが泳いでいるプール位置を制御することで,高倍率で継続的に一個体を観察するシステムを作成した.さらに,構築したモデルに基づいてゾウリムシ個体の運動制御実験を行い,モデルの有効性を検証した. 2.高速に焦点面をスキャンできるレンズを設計・製作した.この可変焦点レンズを顕微鏡対物レンズと組み合わせて,焦点面位置を高速にスキャンできる顕微鏡システムを構築した.このシステムを用いてガラス板の表面位置を計測することにより,高速に焦点面をスキャンしてゾウリムシ位置を3次元的にトラッキングできることを確認した. 3.ゾウリムシ食胞の制御について検討した.ゾウリムシは食胞に外部物質を取り込んで排出する性質をもつが,どのようにしてそれを制御するかを検討したが,性質を再現する有効な手法は見つからなかった.
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Research Products
(5 results)