2005 Fiscal Year Annual Research Report
デュアルホログラムメモリを用いた偏光干渉レーザ顕微鏡の開発と生体影像への応用
Project/Area Number |
16656083
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
江上 力 静岡大学, 工学部, 助教授 (70262798)
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Keywords | 顕微鏡 / ホログラム / 高分子 |
Research Abstract |
今年度の科学研究費助成により,デュアルタイプのホログラフィック偏光干渉顕微鏡による3次元差分計測についての研究を行い,下記に上げる成果を得ることができた. 高い光感度・大きな非線形感受率χ_<1221>を有するデュアルタイプのホログラムメモリの開発を行った.同メモリ媒体では,フォトポリマを非可逆的なホログラムとし,内部有機色素分子の飽和吸収効果を可逆的なホログラムとして利用することを検討してきた.それぞれに記録した位相情報を記録光と対向する別の光波によって再生することで,互いに90度の偏光角をなす2つの光波を同時回折することができる.この手法を試みる中,実際に問題となった点は内部色素分子の非線形性発現までの瞬時性とリニナリティであった.内部色素分子の非線形性の発現は光強度に対してあくまでも非線形であり,そのため差分計測を行うための両再生光の偏光干渉でのフィネスが非常に低く,最適なコントラストを得ることが難しいことが分かった.この問題点を解決するために,本年度はその非線形性発現時の動作点をプレ紫外光照射により効率よく変調する方法を検討した.近年,近紫外のハイパワーLEDの発達により,プレ励起用の光源としてLEDが十分実用に耐えうるものとなり,これをシステム内にセットアップすることも容易である.紫外線LEDを利用することにより,実時間ホログラムの動作点設定が容易となり,非可逆ホログラムと可逆ホログラムとの回折効率の整合をとることができ,コントラストの最適化が実現可能であるとのことが分かった. 非線形性発現時の動作点設定という大きな問題に遭遇してしまったため,当初予定していた偏光干渉計の設計までには至らず次年度への大きな課題を残した.
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