2004 Fiscal Year Annual Research Report
次世代電力系統解析を担うハイブリッド形電力系統シミュレータの開発
Project/Area Number |
16656089
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
引原 隆士 京都大学, 工学研究科, 教授 (70198985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟木 剛 京都大学, 工学研究科, 助教授 (20263220)
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Keywords | 電力系統 / シミュレータ / ハイブリッド / 過渡安定性 / 直流送電 / 交直連系系統 |
Research Abstract |
本研究は,電力自由化や多様な分散電源の導入が進んだ将来の電力システムの解析に対応し得るハイブリッド形シミュレータの開発を目的としている.本目的の達成に関して,平成16年度は以下に示す研究実績を上げた. 1.ハイブリッド形シミュレータの開発と一機無限大母線系統を対象とした動作検証:パーソナルコンピュータ・DSPおよび制御系設計ソフトウェアMATLAB/Simulinkを用いてハイブリッド形電力系統シミュレータを開発し,一機無限大母線系統を対象とした動作検証を行った.具体的には,同期機に関する数理モデルをMATLAB/simulinkによりDSP上のプログラムとして実現すると共に,交流送電線をアナログ要素(リアクトル)を用いて開発した.さらに,シミュレータを用いて一機無限大母線系統の過渡ダイナミクスを実験的に明らかにすると同時に,シミュレータの動作検証への非線形力学における解析手法の適用可能性を示した. 2.ハイブリッド形シミュレータに向けた直流送電モデルの製作と動作検証:ハイブリッド形シミュレータによる交直連系系統の解析を目指した他励式直流送電の数理モデルをMATLAB/Simulinkを用いて:DSPソフトウェア上のプログラムとして実現し,定常時に関する動作検証を遂行した.以上により,交直連系系統の解析に向けたハイブリッド形シミュレータの開発の一部を完成した. 3.交直連系系統の過渡安定性に関する解析的検討:本開発シミュレータにより得られる実験結果を解析的に検証することは,シミュレータの実系統解析への妥当性を示すために必要不可欠である.本検討では,交直連系系統の過渡安定性を対象とした解析を行い,過渡ダイナミクスと安定境界の観点から直流送電の過渡安定性への影響を解析的に明らかにした.
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