2004 Fiscal Year Annual Research Report
交流電動機速度センサレスベクトル制御システムの新設計手法
Project/Area Number |
16656090
|
Research Institution | Aoyama Gakuin University |
Principal Investigator |
林 洋一 青山学院大学, 理工学部, 教授 (90093939)
|
Keywords | 位置・速度センサレス / 誘導電動機 / 永久磁石同期電動機 / デッドタイム補償 / オブザーバー / パラメータ誤差 / ベクトル制御 / 電機子インダクタンス |
Research Abstract |
三相誘導電動機および三相永久磁石同期電動機のいずれにも適用できる位置・速度センサベクトル制御システムを提案し、その設計手順を検討した。 この位置・速度センサレスベクトル制御(ACFO速度センサレスベクトル制御)の特徴は、 1)電機子電流による磁束を推定するオブザーバーを利用する、 2)軸ズレ角の演算の過渡特性改善にための位相進み・遅れ補償を挿入する、 3)全てのフィードバックゲインが解析により決定済み などであり、既に提案されている多くの手法に比べ、安定性が高い、設計が容易であるなどの利点を具体的設計事例を通して確認・検証した。 適用可能な速度範囲を低速まで拡大するにはモータパラメータやインバータの制御誤差の影響を検討し、十分な対策を行う必要がある。これに関しては 1)インバータ電圧指令と実際の出力電圧を比較することによりデッドタイムの影響を実測し、これをキャンセルするための補償パターンを決定 2)モータ定数などのパラメータ誤差が軸ズレ角に及ぼす影響を定量的に評価 などの対策を行い、静止状態から定格速度の200%程度と極めて広い速度範囲で安定な運転が行えることを確認した。 エアコンなど家電の省エネルギーに大きく貢献する埋め込み永久磁石同期電動機(IPMSM)の位置・速度センサレスベクトル制御では、電機子インダクタンスの磁気飽和が大きな問題であり、制御システムを設計する上で一つの障害となっていた。本研究では、モータを拘束せずに、d軸、q軸の励磁試験を行う手法を開発し、簡単に磁気飽和を考慮した電機子インダクタンスの近似式を得ることを可能とした。
|