2004 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド薄膜の複合電極を利用したフラット蛍光ランプの基礎研究
Project/Area Number |
16656091
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Research Institution | Kanagawa Institute of Technology |
Principal Investigator |
荒井 俊彦 神奈川工科大学, 工学部, 教授 (60130796)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 みき 神奈川工科大学, 助手 (70195949)
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Keywords | ネオンプラズマ / 液晶バックライト / 冷陰極 / 多結晶ダイヤモンド / 放電開始電圧 / 二次電子放出 / ダイヤモンドエッチング / 反応性イオンエッチング |
Research Abstract |
本研究は希ガス放電を用いて、無水銀平面放電型蛍光ランプの発光の高効率化を目的としている。とくに多結晶ダイヤモンド薄膜の電極応用の可能性について検討することが2年間の主たる目標である。 本年度はプラズマディスプレイの電極保護膜として用いられている酸化マグネシウム(MgO)と負性電子親和力による電子放出特性のある多結晶ダイヤモンドについて、イオンによる二次電子放出について検討した。二次電子放出は放電電圧を決定する上で、非常に重要な役割を果たしているため、放電開始電圧、放電維持に必要な陰極降下電圧を下げ、低消費電力化を達成できる。そこで異なった電極材料の放電特性を評価できるシステムを設計・製作した。このシステムは10mm角の電極用サンプルがスペーサおよび開口部を有する石英製カバーを用いて、2mmのギャップで対向できるようにしてある。サンプルホルダーは真空チャンバー内に設置し、放電の様子が観測できるように石英製窓付きである。電極として用いるサンプル間に10kHzの正弦波電圧を印加した。放電特性は容量性負荷の場合に有効であるVQリサージュ図形法を用いて測定した。電極用サンプルとして石英、単結晶MgO、多結晶ダイヤモンドを用いた。Neガスで各サンプルについて放電開始電圧とpd(ガス圧p、放電開始電圧d)値との関係を測定した。この結果、放電開始電圧の最小値はMgOで得られた。ダイヤモンドではpd値が高くても放電開始電圧が低下することがわかった。石英の放電開始電圧はMgOよりも、かなり高い。今後、目標としている平面放電ランプへのダイヤモンド電極の有効性を調べるため、水素終端ダイヤモンド、ボロンドープダイヤモンド、ダイヤモンド表面の粗さの影響、ダイヤモンドと金属を用いた複合電極の検討を進めている。 ダイヤモンド電極の加工として、高周波励起反応性イオンエッチング装置を用いる。電極面にMgO焼結体を用いることにより、Neガスでプラズマ密度がステンレス電極に比較して増加することがわかった。酸素プラズマでダイヤモンドの電極加工としてエッチングの高速化についても検討する。
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