2004 Fiscal Year Annual Research Report
超高周波表面弾性波を用いたダイナミック・フォトニック結晶
Project/Area Number |
16656095
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
井上 光輝 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (90159997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西村 一寛 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (60343216)
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Keywords | ダイナミック・フォトニック結晶 / フォトニック結晶 / 表面弾性波 / 電子線描画装置 / 光導波路 / 圧電基板 / エアロ・ゾル堆積法 |
Research Abstract |
本研究は、超高周波表面弾性波及びフォトニック結晶の両者を有機的にリンクさせたダイナミック・フォトニック結晶という新しいコンセプトに基づく光学媒体を世界に先駆け創生することで、空間的に局在化したフォトンを人為的かつダイナミックに操作するという前代未聞の機能発現への基礎的性質を探求するものである。 ダイナミック・フォトニック結晶の実現のために、フォトニック結晶に関する研究ならびに数GHz帯の超高周波表面弾性波の研究を行う必要がある。中でも周波数が数GHzの表面弾性波(SAW)フィルタの作製について報告を行う。数GHzの表面弾性波(SAW)フィルタを作製するためには、サブミクロンオーダーの微細加工が要求される。その実現のため、電子線描画装置を用いた直接描画によるGHz帯SAWフィルタの作製を試みた。基板には電気機械結合係数が5.5%と大きい128° YX LiNbO_3、電子線レジストには日本ゼオン製のZEP520-12を用い、電気信号からSAWを発生させるための櫛形電極(IDT)をリフトオフによって作製した。SAWフィルタは、IDTの形状が、開口長200μm、伝搬距離100λ、対数10対で、線幅1μm(SAW中心周波数1GHz)のものおよび500nm(SAW中心周波数2GHz)である。作製したSAWフィルタの伝搬特性はネットワークアナライザを使用し、50Ωでマッチングがとれるように測定治具を作製した。この測定治具は、マイクロストリップラインの長さを変えることでマッチングが取れるようになっており、SAWフィルタはICパッケージにワイヤボンディングしてマイクロストリップラインに接続されている。測定治具のみの周波数特性は、約3GHzまで挿入損1dB以下、リターンロス20dBまで抑えられている。この測定治具を用いて、中心周波数を1GHzで設計したSAWフィルタの伝搬特性を調査した結果、中心周波数973HMz、帯域幅75MHzと非常に良好な伝搬特性を得ることができた。現在、2GHzで設計したSAWフィルタ,およびそれ以上の周波数帯,例えば10GHz帯のSAWフィルタの作製を試みており,それらに用いるフォトニック結晶についても調査している. さらに、圧電薄膜の形成をエアロ・ゾル堆積法(ADM)を用いることおこなっており、ガラス基板に形成した櫛形電極に、ADMを用いて透明圧電材料の堆積を行ったものでのSAWの励振を試みている。
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Research Products
(2 results)