2004 Fiscal Year Annual Research Report
水素プラズマを用いたSiC結晶の低温成長におけるSi基板のピラミッド処理効果
Project/Area Number |
16656097
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Research Institution | Kyushu Institute of Technology |
Principal Investigator |
孫 勇 九州工業大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (60274560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
並木 章 九州工業大学, 工学部, 教授 (40126941)
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Keywords | SiC結晶 / Si基板 / 水素プラズマスパッタ / ピラミッド化処理 / 低温成長 / 界面空洞化 / 結晶欠陥 / 配向 |
Research Abstract |
本研究では、Si結晶表面をピラミッド化しその上でSiC結晶をエビ成長させ、結晶性に対するピラミッド化の効果を調べることを目的としている。 Si結晶表面のピラミッド化処理は、KOHのエッチング方法を利用した。まず、Si表面に酸化膜を作製しフォトリソグラフィーによってパターン化する。酸化膜のエッチングを行った後、残った酸化膜がマスクの役割を果たしてSi結晶のピラミッド化処理を行う。エッチング液の濃度や温度、エッチング時間の制御により二種類のピラミッドが得られる。まず、十分なエッチング時間で処理した結果、四つのSi(111)面で覆うピラミッドが形成される。これを第一種基板と名付ける。短いエッチング時間で曲面を持つピラミッドが形成される。これを第二種基板を呼ぶ。ピラミッドのサイズは何れのケースでも底の辺の長さは2μmで、高さは約1μmであった。ピラミッド化したSi基板に対して、水素プラズマスパッタリング方法を用いSiとcのターゲットをスパッタしてSiC薄膜を成長させた。成長温度は850℃〜1100℃、水素圧力は200Pa、水素ガス流量は20sccm、スパッタ時間は30minであった。 第一種基板では、3C-SiC結晶が成長され1000℃の基板温度においてSic/Si界面に空洞が形成されないことも確認できた。第二種基板では、成長温度を850℃から1100℃まで変化させSiC成長を行った。その結果、1075℃までSiC/Si界面に空洞化が発生しないことを確認できた。結晶は立方晶でありその結晶性は基板温度の増加に改善される。成長メカニズムに対してまだ不明な点が多いが、次のことが明らかとなった。まず、ピラミッド表面上での成長は単結晶表面での成長と違った機構で行われる。ピラミッド曲面上ナノステップの存在が大きな役割を果たしていると考えている。更に1000℃以上の温度では、SiC結合形成の活性化エネルギーはゼロであると判明した。これも結晶成長の実現に貢献していると思われる。
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Research Products
(1 results)