2004 Fiscal Year Annual Research Report
静電植毛法による広帯域光低反射率面の形成に関する研究
Project/Area Number |
16656099
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Research Institution | Chiba Institute of Technology |
Principal Investigator |
関井 康雄 千葉工業大学, 工学部, 教授 (80265462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 友直 千葉工業大学, 付属総合研究所, 教授 (90013622)
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Keywords | 静電植毛 / カーボンファイバーパイル / 光反射率 / FTIR / 紫外・可視・近赤外分光光度計 / 熱設計 / 宇宙機器 |
Research Abstract |
人工衛星や衛星搭載機器の熱設計に際しては、衛星の平均温度を一定に保っことができる材料を選定する必要があり、搭載機器の表面を熱放射率の小さい金メッキや熱放射率の大きい黒色ペイントを塗布するコーティング法などが採用されている。本研究は衛星搭載機器などの熱制御をより効率的に行える表面形成法として、カーボンファイバーを用いた静電植毛法に着目し、光に対する低反射率面を形成する方法の開発を目指す基礎研究である。平成16年度には2種類のPAN(ポリアクリルニトリル)系カーボンファイバーパイルを植毛材に用いた静電植毛面の特性評価と解析を行ない良好な植毛面が得られる条件について検討した。作成した植毛面の光反射スペクトルを、赤外光の正反射スペクトルの測定が行えるFTIR(測定波長領域2.5〜10.0μm)と科学研究費補助金により購入した紫外可視近赤外分光光度計(積分球搭載、日本分光(株)製・V-570型)を用いて測定し、カーボンファイバーパイルを用いた静電植毛面が紫外光から赤外光に至る広範な波長の入射光(波長領域0.2〜10.0μm)に対し、反射率0.01以下の低い光反射率を示すや、反射率が植毛材であるカーボンファイバーパイルの長さにより異なり、パイル長の長いカーボンファイバーを用いた場合により低い反射率を値が得られることを確かめた。これらの結果は国内外において従来報告されていない研究成果であり、2004年8月に開催された静電気学会全国大会と同年11月に開催された日米静電気合同シンポジウムで報告した。また、研究成果を論文に取りまとめ、静電気学会誌に投稿した。この論文は今年4月に刊行予定の静電気学会誌Vol.28.No2に掲載される予定である。この結果を踏まえて平成17年度には高真空・極低温下における植毛面の熱放射率について検討し、平成16年度の研究成果と併せてカーボンファイバーパイルを用いた静電植毛面の特性について総合的に検討する予定である。
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