2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656101
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
田中 祀捷 早稲田大学, 大学院情報生産システム研究科, 教授 (50253539)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小迫 雅裕 鹿児島高等工業専門学校, 講師 (80350429)
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Keywords | ナノテクノロジー / ナノコンポジット / ポリマー系ナノコンポジット / 高電界現象 / トリーイング / ナノフィラー / メゾスコピック / 全固体型変電所 |
Research Abstract |
エポキシナノコンポジットおよびポリエチレンナノコンポジットの創製技術を確立し、それを用いて作成した試料について、誘電特性および高電界現象(耐部分放電特性および耐トリーイング特性)を明らかにする研究を行った。その結果、以下のことが判明した。 (1)誘電率はナノフィラーを添加すると、古典的には増加するはずであるが、増加する場合と、不思議なことに、減少する場合がある。 (2)耐部分放電特性について、シリカ、アルミナ、チタニア、ハイドロタルサイトおよび層状シリケートのナノフィラー添加のエポキシ樹脂の内、最も優れた特性を示す材料はナノシリカ入りのものである。さらに12nmのような小さい径のフィラーが良い。またフィラーとポリマーを結合させるシランカップリング処理も効果がある。 (3)耐トリーイング特性について主にアルミナナノフィラーで検討した。トリー破壊寿命は印加電界によっては100倍に延伸することができる。また、トリーの伸び特性では、印加電界の高低で伸びが逆転するクロスオーバー現象やトリーが対抗電極に到達しても破壊に至らない現象を発見した。 (4)ナノフィラーでは界面の占める割合が厖大なので、ナノフィラーとポリマーマトリックスの界面が大きな影響を及ぼしていると考えられている。上記の種々の新しい現象については、その観点からメカニズムの検討を行い、マルチコアモデルという界面モデルを提案した。 本研究でナノコンポジットの高電界現象の把握ができたとの結論に達した。
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