2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁気光学リング共振器を用いた超小型高速光スイッチの研究
Project/Area Number |
16656110
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
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Keywords | 磁気光学材料 / ファラデー効果 / 光スイッチ / リング光共振器 / 高周波スパッタリング / 磁場印加 / 偏光面回転 |
Research Abstract |
本年度の研究計画は、以下の通りであった。 1.高性能リング共振器構造の設計とスイッチング特性のシミュレーション 2.磁気光学材料の製法の開発 3.偏光角の磁場依存性と磁気光学材料組成、結晶性、製法との関係を明らかにする。 上記の内、1.については、ファラデー効果を用いたリング共振器は、これまでに報告がないので、基本特性のシミュレーションから研究を始めた。通常のリング共振器において、何がスイッチング速度を支配するのかを、現有の光デバイスシミュレータと解析式を用いて調べた。その結果、リングの共振急峻性は、結合する導波路との結合係数およびリング導波路の伝播損失に大きく依存することを、定量的に明らかにした。この関係は、電気光学材料を用いた場合でも、磁気光学材料を用いた場合でも本質的な違いはない。スイッチング速度は、光がリング内を周回する速さで決まり、十ミクロンオーダの半径のリングでは、数十GHzのオーダであることを明らかにした。これらの結果は、2005年春の応用物理学会にて報告した。 2.については、現有の真空装置に、本研究設備備品費により購入した3インチスパッタ源を取り付け、高周波スパッタリング装置を立ち上げた。スパッタ材料としてY_3Fe_5O_<12>(YIG)の予備実験を開始したところである。 3.については、手持ちの部品(偏光子および直流磁場発生用コイル)を用いて、磁場印加偏光測定装置を立ち上げた。 平成17年度は、立ち上げたこれらの装置を用いて、本格的な実験を行う予定である。
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