2005 Fiscal Year Annual Research Report
磁気光学リング共振器を用いた超小型高速光スイッチの研究
Project/Area Number |
16656110
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
横山 新 広島大学, ナノデバイス・システム研究センター, 教授 (80144880)
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Keywords | 光スイッチ / リング共振器 / 磁気光学効果 / ファラデー効果 / Bi_3Fe_5O_<12> / 高周波スパッタ / Mgo基板 / GGG基板 |
Research Abstract |
本研究では、限界を迎えつつある金属配線のスピードを凌駕する「光配線LSI」用の超小型高速スイッチとして、ファラデー効果を利用したリング共振器型光スイッチを開発する。 17年度は、リング共振器型光スイッチの構造を決定し、その特性を定量的にシミュレーションし、ス一チングゲイン、消費電力、動作速度を推定した(ベルギーでの国際会議にて報告)。高周波スパッタ装置を用いて、磁気光学材料Bi_3Fe_5O_<12>(BIG)薄膜を作製する技術を開発した。また、偏光角の磁場依存性を測定する装置を開発し、BIG薄膜の磁気光学効果を観測した。 BIG膜は、アルゴンと酸素の混合ガス中で、BIGターゲットをシリコン酸化膜基板上にスパッタすることにより作製した。基板温度が500℃以下ではアモルファスの薄膜が形成され、これ以上の温度で多結晶の薄膜が成長する。まず、アモルファス薄膜を形成し、これを化学溶液でエッチングすることにより光導波路を形成する技術を開発した。アモルファスBIG膜は、希釈塩酸で容易にエッチングできることを見出し、これによって光導波路を形成した。しかし、アモルファスBIG膜は400nm-1500nmの波長の光を導波しないことが分かった。そこで、まず提案光スイッチの動作実証を行うために、高品質な結晶が得られる可能性のある、単結晶MgO及びGGG(ガドリニウムガリウムガーネット)基板上にBIG薄膜を形成しその結晶性を調べた。その結果、GGG基板上のBIG薄膜が最も配向性が良く、また表面粗さも少ないことが分かった。また、その膜において、磁気光学効果を観測することができた。これらの成果は、2006年春の応用物理学会にて発表した。次年度は、この膜を用いて光スイッチデバイスを試作・評価する予定である。
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