2004 Fiscal Year Annual Research Report
ユビキタス社会の実現を目的としたバイオメトリクスを鍵として利用する暗号化の研究
Project/Area Number |
16656115
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
大山 永昭 東京工業大学, フロンティア創造共同研究センター, 教授 (50160643)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 雅浩 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教授 (10220279)
小尾 高史 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (40280995)
谷内田 益義 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 特任助教授
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Keywords | バイオメトリクス / 光暗合化 / 指紋認証 / パターンマッチング |
Research Abstract |
本研究では、暗号の鍵の所持や記憶の必要なしにいつでもどこでも暗号化・復号化できる暗号インフラの構築を目指し、身体的特徴(バイオメトリクス)を暗号鍵として利用可能な暗号アルゴリズムの開発を行う。今年度の研究成果を以下に示す。 1.指紋を鍵として利用可能な暗号化アルゴリズムの開発 (1)光暗号化に用いる鍵生成手法の開発 Double Random Phase Encoding(光暗号化)の暗号鍵である位相マスク画像の生成手法として、指紋のフーリエ位相成分と暗号鍵とする手法を考案した。 (2)回転やシフトなどに対応する手法の開発 指紋の回転や大きな位置ずれに対処する手法として、指紋を回転させながら正解の復号化画像を決定する手法、大きな位置ずれのある指紋画像を照合対象から除去する手法を考案した。 (3)暗合化されるデータを画像へコーディングする方法の開発 光暗号化手法は本来画像を暗号化する手法であるため、任意のデータを暗号化するためにはバイナリデータを画像へエンコードする必要がある。そこで、安全性や復元精度を考慮し、2つの矩形で1ビットを表現するエンコード手法を考案した。 (4)計算機シミュレーションによる評価 指紋センサーによって取得した8名分の指紋画像を用いて、提案手法の有効性を確認するための計算機シミュレーションを行った。その結果、本人の指紋では約90%の確率で正しく復号化でき、他人の指紋では100%の確率で復号化に失敗した。 2.電子的及び光学的な実装のための基礎実験 (1)電子的な実装 提案した手法を利用して、Windows上のファイルを指紋で暗号化・復号化するソフトウェアを構築した。 (2)光学実験の準備 提案手法を効率的に光演算によって実装するための光学系の設計を行った。
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