2005 Fiscal Year Annual Research Report
ハイパーグラフとファジィ積分によるナレッジマネジメント・メディアの提案
Project/Area Number |
16656119
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
片井 修 京都大学, 情報学研究科, 教授 (50089124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川上 浩司 京都大学, 情報学研究科, 助教授 (90214600)
塩瀬 隆之 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90332759)
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Keywords | ファジィ積分 / 知識継承 / 地域通貨 / ハイパーグラフ / メディア |
Research Abstract |
昨年度,エコマネーの交換プロセスで起こる非加法的な関係構造記述にショケ積分を導入し,コミュニティが知識交換から知識贈与的関係へと遷移するプロセス可視化を行った.これらプロセス可視化とこれまでのエコマネー研究から,市場通貨交換に準えた等価交換よりはむしろ物々交換のような身体制約に基づいて価値付与可能な非加法的知識継承効果の優位性を示し,この成果は国際会議において報告した.さらに,主体間関係を重視した知識継承の非加法的(相乗的)効果を説明するため,交換そのものをインセンティブとした互酬性をファジィグラフとファジィ推移的閉方を用いた記述について,国際会議で報告した. このようなコミュニティの中で自己創出的に知識継承されるようなナレッジマネジメントの試行のため,京都に本拠地を置く地元NPO協力の下で既存の知識継承ネットワークの構造分析を行った.会員相互のタスク依頼構造,ならびに知識贈与関係に関するソーシャルネットワーク分析を行ったところ,目的達成のための道具的行為に際して利用するネットワークと,連携そのものを目的化する表出的行為に際して利用するネットワークとで,その参照に差異のあることが分かった.NPOのように組織構造が十分でない組織の場合,知識のような無形資産は属人的な活動としてネットワークの中に埋没し,その抽出が難しい.そこで,ヒューマンネットワーク内の知識継承を促進するため,RFIDタグを用いた知識交換の履歴記録システムを構築し,<人-媒介物-人>の三項関係を最小単位とした関心ネットワークの可視化を行った.試作したシステムを本学研究室の組織内知識継承を事例として試行し,様々な検索指標により組織内知識継承関係を把握・維持・創出するためのネットワーク抽出の可能性を示した.この成果は国内学会で報告され,またその展開について次年度の国際会議発表で報告予定である.
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Research Products
(7 results)