2004 Fiscal Year Annual Research Report
生物的自己組織化による新規の自己修復・再生工学システムの構築
Project/Area Number |
16656120
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大椙 弘順 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (00201377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉真 昭男 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (90267865)
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Keywords | 自己修復 / 自己組織化 / 分散制御 / 工学システム / 制御システム / 自動修復 |
Research Abstract |
生物発生システムでは、多くの場合、各々の「対等な関係の細胞」の相互の情報交換により全体の自己組織化と再生が実現される。本研究はこの発生システムを単純化し、人工生命的な自己修復する新規工学システムの実現を目指すものである。具体的には、複数の制御系と制御対象が連結して全体が成立つ工学システムにおいて、どの制御系が故障あるいは破壊された場合でも、各制御系を、どの制御系にも成りうる「幹細胞的制御系」が自動的に修復する工学システムをモデル化しその実装を行う。本年度はその基本となる最小モデルシステムとして、「制御系A」1個、「幹細胞的制御系」1個、「リモートI/O」1個、「制御対象のロボットアーム」1個、の要素からなるシステムを構築し、実行動作の確認を行った。 「制御系A」、「幹細胞的制御系」、「リモートI/O」をネットワークで連結しUDPにより相互通信をおこなった。通常状態においては「制御系A」からの「制御信号」はUDPにより「リモートI/O」に送られ、「リモートI/O」はRS232Cによりロボットアームを制御する。今回のシステムでは、「制御系A」と「幹細胞的制御系」が共通の変数を使用することでお互いの状態を把握させており、これにより「制御系A」を任意にダウンさせた場合に、「幹細胞的制御系」がその状態を把握して「制御系A」に成り代わりロボットアームへの制御信号を送る状況を実現した。実行動作として、ロボットアームに特定の作業を行わせている途中で、「制御系A」を人為的にダウンさせた場合、「幹細胞的制御系」からの信号により「リモートI/O」を介してロボットアームが正常に動作し続けることが確認できた。今後はこのシステムを拡大し、それぞれ複数の「制御系」「幹細胞的制御系」「リモートI/O」「ロボットアーム」からなるシステムの構築を進める。
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