2005 Fiscal Year Annual Research Report
生物的自己組織化による新規の自己修復・再生工学システムの構築
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16656120
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Research Institution | Shizuoka Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
大椙 弘順 静岡理工科大学, 理工学部, 助教授 (00201377)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉真 昭男 静岡理工科大学, 理工学部, 教授 (90267865)
幸谷 智紀 静岡理工科大学, 理工学部, 講師 (80319152)
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Keywords | 自己修復 / 自己組織化 / 分散制御 / 工学システム / 制御システム / 自動修復 / 幹細胞 / 再生 |
Research Abstract |
生物発生システムでは、多くの場合、各々の「対等な関係の細胞」の相互の情報交換により全体の自己組織化と再生が実現される。本研究はこの発生システムを単純化し、人工生命的な自己修復する新規工学システムの実現を目指すものである。具体的には、複数の制御系と制御対象が連結して全体が成立つ工学システムにおいて、どの制御系が故障あるいは破壊された場合でも、どの制御系にも成りうる「幹細胞的制御系」を導入し、全体機能が自動的に修復する工学システムをモデル化し、その実装を行う。 前年度は、全体計画の中の最小基本モデルの設計を行い、「制御系」1個、「幹細胞的制御系」1個、「リモートI/O」1個、「制御対象ロボットアーム」1個、の要素からなるシステムを構築し、実行動作の確認を行った。本年度は,このシステムの構成を拡大し、「制御系a,b,c」3個、「幹細胞的制御系a,b」2個、「リモートI/O a,b,c」3個、「制御対象ロボットアームa,b,c」3個からなるシステムを構築して、特に、どの制御系a,b,cがダウンした際でも、何れかの「幹細胞的制御系」が機能しだすことにより、システムの全体機能の調和が保たれる自動修復系の構築に重点をおき、その実装と実行動作の確認を行った。上記システムをネットワークで連結し、それぞれの上記構成ノード間で、UDPパケットを基本とした情報交換を行わせることにより、システム構成各ノードの確認、各ノードからのロボットアーム制御情報の正常・異常の確認、異常が確認された場合の幹細胞的制御系ノードによる制御系ノードへの変換、などについて実現を図った。その結果、制御系「a」、「b」、「c」が各々制御対象ロボットアーム「a」、「b」、「c」をそれぞれ独立に制御し、それぞれのロボットアームが独自の動作を行っている状況を基本状態とし、ここで故意に制御系「a」を破壊すると、幹細胞的制御系の一つが制御系「a」に変化しロボットアーム「a」の動作を継続することが確認された。さらに、次に制御系「b」を破壊すると、残りの一つの幹細胞的制御系が制御系「b」に変化し、ロボットアーム「b」の動作を継続することが確認され、基本的に幹細胞的制御系がシステム内に存在する限り、どの制御系「x」が破壊された場合においても、「幹細胞的制御系」が破壊された制御系「x」に変化し、システム全体の修復が実現される実行動作が確認された。
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Research Products
(1 results)