2004 Fiscal Year Annual Research Report
太陽の無背景光領域を活用するバイオ微粒子動態のレーザー遠隔計測法
Project/Area Number |
16656123
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
野村 彰夫 信州大学, 工学部, 教授 (00115362)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
斉藤 保典 信州大学, 工学部, 教授 (40135166)
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Keywords | 太陽光 / ソーラーブラインド / 極紫外 / レーザー発光 / 遠隔計測 / バイオ微粒子 / 動態 |
Research Abstract |
最終目標を"生活空間圏におけるバイオおよび有機微粒子動態の解明と制御"に置き、平成16〜17年度間の課題として、「極紫外領域(波長300nm以下)における太陽背景光の地上到達成分強度(波長依存性)の精密計測装置の開発と観測実験」を中心に研究を行った。主な成果は次の通りである。 (1)太陽光観測装置の試作:波長300nm以下の極紫外領域の太陽光を分光するにあたって、太陽光の主成分である可視光領域を極力排除し、しかも極紫外領域のみを増幅して検出する工夫を行った。可視光成分の排除に関しては、300nm以下に透過領域を持つノッチフィルターを4枚使用した。入出力が同一光路を形成するように、反射特性を利用する構造とした。またモジュール化することで、使用性に優れるものとなった。増幅は、マルチチャネルプレート型イメージインテンシファイヤーを用いることにより、印加電圧の調整のみで1000倍程度の光増幅を達成した。以上により、目標とする太陽光観測装置が完成した。 (2)太陽背景光スペクトルの観測:異なる気象条件および時間での太陽背景光スペクトルの観測を行った。ノッチフィルターの特性上、305nmにスペクトルのピークが見られた。フィルターの裾切れの不完全さにより、300nm以下においても非常に弱い信号が観測されたが、最も強度が強かった快晴時の場合でも、300nmの強度を1とすると、305nmで3.2、290nmで0.13、280nmで0.005、270nm以下は測定不可能で、バイオ微粒子のレーザー誘起発光を観測するのには満足な値であった。 (3)レーザー発光スペクトル計測の予備実験:今年度は計画以上に研究が進展したので、17年度の研究課題の一部を先取りし、花粉、水生藻、樹木生葉、カーボン微粒子、大気エアロゾルなどを対象とした発光スペクトルを測定し、データベースを作成した。
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Research Products
(4 results)