2004 Fiscal Year Annual Research Report
磁気ナノ粒子を用いた超伝導バイオイメージングセンサの開発
Project/Area Number |
16656125
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
円福 敬二 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 教授 (20150493)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能崎 幸雄 九州大学, 大学院・システム情報科学研究院, 助手 (30304760)
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Keywords | 磁気ナノ粒子 / 磁化過程 / 反磁界効果 / 磁気緩和 / 磁気マーカー / 免疫検査 / 抗原-抗体反応 |
Research Abstract |
病原菌や種々のタンパク質を検出するバイオ計測の分野において、磁気ナノ粒子を用いた磁気的な検出法が近年注目されている。この方法では、磁気ナノ粒子で標識された抗体(磁気マーカー抗体)を用いて抗原と総称されるバイオ物質を検出する。本研究では、磁気的な手法を用いて微量な抗原を高い空間分解能で検出できるバイオセンサを開発することを目的としている。このため、磁気ナノ粒子の局所的励磁法と高温超伝導SQUIDセンサを組み合わせた検出システムを開発している。本年度に得られた主な成果は以下の通りである。 最初に磁気ナノ粒子の磁化過程を定量的に明らかにした。ナノ粒子の磁化過程は熱雑音による磁気緩和(Neel緩和)を受け、その度合いは粒子サイズに強く依存する。また、ナノ粒子は球形であるため、形状効果(反磁界効果)の影響を受けバルク材とは異なった磁化特性となる。このため、これらの影響を考慮してナノ粒子の磁化過程を評価する手法を開発し、実験結果の定量的な説明を可能にした。本手法により、ナノ粒子の励磁法とナノ粒子からの磁気信号の関係を明らかにすることが可能になった。 次に、磁気ナノ粒子からの微弱な磁気信号を高感度に測定する方法を開発した。磁気ナノ粒子からの磁気信号は空間的に大きく変化するいわゆるダイポール磁界となる。このため、SQUIDで検出する磁束信号はSQUIDの形状やセンサシステムの形状パラメータに大きく依存することになる。これらの依存性を数値シミュレーションで明らかにし、ナノ粒子からの磁界を高感度にかつ高い空間分解能で検出するためのSQUIDプローブの設計法を開発した。
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Research Products
(4 results)