2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656126
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Research Institution | Research Institute for Electric and Magnetic Materials |
Principal Investigator |
佐々木 祥弘 (財)電気磁気材料研究所, 機能材料グループ, 研究員 (50249976)
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Keywords | 触覚センサ / 温度センサ / 圧力センサ |
Research Abstract |
本年度は、電子回路構築の要素技術として、昨年度試作した回路の改良を行った。二次元配列センサにおける配線の簡略化を可能とする「零電位法」を用いて、4×4配列素子に対する信号検出処理システムを作製し、その精度向上を目的とした信号回路の最適化を行った。さらに、触覚センサの設計に必要なパラメータを得るために、FePd温度センサ薄膜およびCrNひずみセンサ薄膜を用いた信号検出実験を行った。その結果、FePd温度センサ薄膜に0〜50℃の温度変化を与えたところ、最大300mVの出力電圧が得られ、本回路において約0.6℃の分解能をもつ温度表示が可能となる結果を得ることができた。また、CrNひずみセンサ薄膜においても0.01%という微小なひずみ量を最小分解能とする信号検出が可能であることがわかった。さらに、それら出力レベルが異なる二種類のセンサを複数個用いたセンサ群に対し、同じ電圧で駆動させながら同じ信号検出レンジにおいて同時検知を行う場合にも個々の出力電圧が正しく得られ、安定で精度の良い二次元分布からの信号検出が可能となった。 触覚センサ用複合素子の要素技術として、同一基板上にCrNひずみセンサ薄膜およびFePd温度センサ薄膜を並列に形成した複合素子を作製し、触覚センサとしての評価を行った。その結果、CrN薄膜のひずみ検知およびFePd薄膜の温度検知は高感度に計測可能であったが、それぞれ温度およびひずみによる影響が生じることもわかった。CrN薄膜において温度感度が小さく、FePd薄膜においてひずみ感度が小さいという特徴を利用し、検出信号を相互に利用した補正計算を行ったところ、高精度な温度およびひずみの同時計測が可能となることを明らかとした。 以上の結果を元に、触覚センサ素子の試作を行い、複合薄膜マイクロ触覚センサの完成を目指す。
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