2006 Fiscal Year Annual Research Report
数値化環境技術を用いた鋼構造物の長期間の力学性能評価シミュレーションに関する研究
Project/Area Number |
16656136
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
後藤 芳顯 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (90144188)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小畑 誠 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30194624)
永田 和寿 名古屋工業大学, 工学研究科, 助教授 (40301238)
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Keywords | 鋼構造物 / 腐食 / 数値流体解析 / 時系列的な力学性能変化 |
Research Abstract |
ライフサイクルコストを考慮した鋼構造物の性能設計では初期の建設時の力学性能のみならず維持管理コストの評価のために長期間の劣化や補修が力学性能の変化に及ぼす影響を予測する必要がある.とくに,長期間の腐食による劣化の影響を予測することは困難な問題である.この問題を扱うには,(1)腐食に作用する環境の評価,(2)与えられた環境下での腐食の進行,および(3)腐食による鋼構造物の力学的性能の劣化を論じる必要がある.(2)の点についての研究データの蓄積が進んでいるのに対し,(1)と(3)についてのシミュレーション技術の導入の必要性は高く,この点について検討した. (1)鋼構造,特に橋梁では腐食に影響する直接の要因は水分や塩分などの汚染物質の付着である.これを数値的に検討するために数値熱流体解析を行った.具体的には空気中の湿度の箱桁内への流入,箱桁本体を通じての熱の移動について数値解析を行い,現地観測結果との比較検討を行った.その結果,箱桁内の温度については外気温との関連性をほぼ数値的に再現できることがあきらかになった.また,自然環境の中では問題となる初期境界条件については,周辺の気象条件との整合性を持たせるために,メソスケール気象解析プログラムとの連携をはかった.現地観測結果との比較によれば,周辺のアメダスデータ等から内挿するよりも妥当なデータが得られることを確認した.さらに,空気中に浮遊する汚染物質の橋梁面への付着のシミュレーションも行ったところ,数値シミュレーションにより予測される付着量と,観測されている腐食量に一応の相関関係が見られた. (3)長期間の力学性能を評価するシミュレーションとして,腐食による耐力低下の過程および補修による耐力復元の過程等の履歴を正確に考慮し,建設の初期状態から将来に至るまで構造物の力学性能の変化を時系列的に追跡しうる部材体積の変化量を新たなパラメータとしたシミュレーションを行った.
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Research Products
(5 results)