2004 Fiscal Year Annual Research Report
短周期表面波によるキラーパルス発生と震害メカニズムの解明に関する研究
Project/Area Number |
16656140
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
神山 眞 東北工業大学, 工学部, 教授 (50085461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 忠司 東北工業大学, 工学部, 助手 (00165789)
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Keywords | キラーパルス / 短周期表面波 / 常時微動 / アレー観測 / 擬似スペクトル法 / 不整形地盤 / 宮城県沖地震 / 地震被害 |
Research Abstract |
本研究課題は,不整形地盤における不整形箇所で二次的に生成される短周期表面波(周期2〜3秒以下の短周期の表面波)が直達波と連続的に干渉することにより発生するやや長周期で大きな速度振幅のパルス状地震動について、その発生条件を解析、実測の両面から解明することを目的としている.併せて,このような大きな速度振幅でやや長周期のパルス状地震動(キラーパルス)の構造物挙動への影響を分析し、キラーパルスによる地震被害の発生メカニズムを明らかにすることも研究課題の骨子としている. 今年度は短周期表面波キラーパルスによる構造物被害の可能性が高い2003年の宮城県沖地震M7.1によって被災したJR東北新幹線猪鼻高架橋を対象として研究をすすめた.内容は被災地点における常時微動アレー観測の実施と被災地点の地盤構造の収集による不整形地盤構造のモデル化とそれを対象とした擬似スペクトル法による二次元地震応答解析である.常時微動のアレー観測からはスペクトル比の分析により,確かに被災が集中した高架橋では地震動が特に大きくなること,とりわけ周期約0.5秒付近でのスペクトル振幅において被災地点と無被災地点では歴然とした差が生じることが確認された.一方,地震応答解析では,常時微動の観測結果に対応して,被災地点において無被災地点に比較して応答振幅が大きくなることが明らかとなった.しかも,その原因が基盤からの入射地震波の応答による直達波と二次的に不整形構造により発生する表面波の干渉重合によるものであることも把握できたが,やや長周期のパルス状を呈する応答の存在は現在のところ現れていない.次年度,これをさらに検討したい.
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