2005 Fiscal Year Annual Research Report
短周期表面波によるキラーパルス発生と震害メカニズムの解明に関する研究
Project/Area Number |
16656140
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Research Institution | Tohoku Institute of Technology |
Principal Investigator |
神山 眞 東北工業大学, 工学部, 教授 (50085461)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 忠司 東北工業大学, 工学部, 助手 (00165789)
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Keywords | キラーパルス / 短周期表面波 / 2004年新潟県中越地震 / 非定常スペクトル / 分散性 / 不整形地盤 / 地震応答 / 常時微動 |
Research Abstract |
本研究課題は,不整形地盤における不整形箇所で二次的に生成される短周期表面波(周期2〜3秒以下の短周期の表面波)が直達波と連続的に干渉することにより発生するやや長周期で大きな速度振幅のパルス状地震動について、その発生条件を解析、実測の両面から解明することを目的としている.併せて,このような大きな速度振幅でやや長周期のパルス状地震動(キラーパルス)の構造物挙動への影響を分析し、キラーパルスによる地震被害の発生メカニズムを明らかにすることも研究課題の骨子としている. 今年度は2004年10月23日発生の2004年新潟県中越地震による震源領域における被害と強震動特性の関係に関する考察を中心に進めた。特に、震源直下の小千谷市、川口町、山古志村などで正に本研究で対象とするキラーパルス性状を示す強震記録が得られたことから、この解析を詳しく実施するとともに、被害状況と強震動特性との関係を調べるために昨年度の被災直後の調査に続き、二度目の現地調査に赴いた。今回の現地調査では、被害の著しい山古志村を経て、震源断層に直行する形で直線上に展開する系統的な常時微動観測を行った。強震記録の非定常スペクトル解析から、山古志村役場の記録に周期1秒から3秒にわたる明瞭な分散性を示す非定常性が抽出され、短周期表面波の存在が明らかとなった。しかも、この分散性の非定常特性は記録のコーダ部ではなく、初動直後から主要動の中心部に存在することから、短周期表面波が震害の主要な原因に成りうることが実証されたものと考えることができる。このことを理論的に考察するため山古志村付近で想定される深い不整形地盤構造を用いて地震応答シミュレーションを進めた。このシミュレーションの詳細は現在も分析中であり、次年度の研究に引き継ぐ予定である。
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