2004 Fiscal Year Annual Research Report
透水性舗装のヒートアイランド抑制効果検証用ナノ薄膜蒸発量センサの開発
Project/Area Number |
16656142
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
大西 有三 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026348)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西山 哲 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00324658)
上原 真一 京都大学, 工学研究科, 助手 (20378813)
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Keywords | 透水性舗装 / ナノ薄膜センサ / ヒートアイランド現象 / 洪水抑制 / 蒸発量 / 地下水 / 都市環境 / ナノテクノロジー |
Research Abstract |
近年の都市周辺ではヒートアイランドと呼ばれる高温化現象が生じている.これは,雨水の地盤への浸透が断ち切られたために,地盤は水を保有せず,逆に地表面を覆う比熱の高い材料が顕熱を増加させ,また緑地の減少によって蒸発散が減ったために,都市を冷却させる要因が無くなっためである.この都市の熱環境の変化は,気温上昇に伴う不快感の増加だけでなく,都市部の集中豪雨の増加などの局地的な気象の変化も及ぼしている.また,雨水の浸透を許さない地表面の構造は,豪雨時での下水道や河川による洪水調節機能を破綻させている.そこで,本研究は,都市面積の15%程度を占める道路舗装面を透水性のものにすることで,都市における生活の快適性の機能を保ちつつも,熱環境の改善と一体となった水環境の保全を実現する方策としての透水生舗装に関する研究を遂行するに当たり,その機能設計あるいは施工後の機能効果確認および機能保持のための維持管理を行うために必要な蒸発量をモニタリングするナノ薄膜を利用したマイクロセンサの開発を試みたものである.具体的には,本研究ではセラミック薄膜によって構成される蒸発量センサを作成し,透水性舗装の蒸発散効果をモニタリングすることを試みた.その結果,地下水位面の高い箇所に透水性舗装を施工した場合,降雨を路盤に浸透させることで,地下水を涵養し,逆に日射量の多い時間帯は,表層からの蒸発と共に,舗装体が地下水面を汲み上げる作用を有することが検証され,透水性舗装は地下水の汲み上げの作用が働く結果,蒸発が長期にわたって続き,都市の熱環境保全に有効であることを定量的に考察することが可能となった.
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Research Products
(3 results)