2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656143
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田村 武 京都大学, 工学研究科, 教授 (30026330)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
建山 和由 立命館大学, 理工学部, 教授 (10179731)
小西 真治 鉄道総合技術研究所, 構造物技術研究部, 主任研究員(研究職)
真下 英人 土木研究所, トンネル研究室, 室長(研究職)
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Keywords | トンネル / 支保 / 座屈 / 土圧 / 地盤反力 / 線形解析 / 有限変形解析 / モード |
Research Abstract |
山岳トンネルの1次支保やシールドセグメントには地山からの土圧を受けて大きな圧縮力が発生する.多くの場合,部材の厚さが十分にあり,圧縮力による座屈破壊に対しては安全とされることから,その確認や照査はされない.しかし実際には,膨張性地山におけるトンネルにおいて支保や覆工が座屈に近い破壊をしている例も見られる.これまでトンネル構造の座屈についてはあまり検討されていなかったが,上記のようにトンネルアーチの部材厚さに対して大きな荷重が作用する場合には,当然,それに対する安全性の評価が必要となる.ここでは特に,コルゲートカルバートトンネルを想定し,座屈解析を実施した.この部分については論文を投稿し,審査を終えた. コルゲートカルバートトンネルはこれまでトンネル断面積の小さいものが中心であったが,近年,中規模断面のものにも適用が検討されている.コルゲート状の部材ではあるが,部材厚はあまり大きくなく単独で地表に置かれた場合にはかなり柔軟な構造物である.これが地盤内では作用する土圧と適度な相互作用を生じ,構造が容易に変形することによってより等方的な荷重分布を作りだしている.すなわち,曲げによる応力はあまり生じないが圧縮力である軸力はかなり大きくなるという構造特性を有している.したがって座屈に対する安全性が大きな課題となる.そこでここではトンネルアーチ部分に対する線形座屈解析を実施するとともに室内実験として行なわれたコルゲートアーチに対する載荷試験結果との比較を行ない,その座屈安定性を検証した.この部分については論文を投稿準備中である.
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