2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656145
|
Research Institution | National Institute of Occupational Safety and Health, Japan |
Principal Investigator |
伊藤 和也 独立行政法人産業安全研究所, 建設安全研究グループ, 研究員 (80371095)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊澤 康男 独立行政法人産業安全研究所, 建設安全研究グループ, 主任研究官 (20358419)
日下部 治 東京工業大学, 大学院・理工学研究科土木工学専攻, 教授 (40092548)
|
Keywords | 落石 / 遠心模型実験 / 破砕現象 / 衝撃圧 |
Research Abstract |
落石は道路,鉄道,住宅等へ影響を及ぼす斜面災害の中でも発生頻度が比較的高い災害現象の一つである.また,落石に起因する労働災害について調査したところ,過去10年間で40件程度報告されていた.中には落石が突破・跳躍して落石対策工により保護されている箇所にいた労働者が被災する事例も報告されており,落石の運動形態や衝突現象など,落石対策の計画・設計に必要な事柄についても未だ十分には解明されていないのが現状である.そこで本研究は,多くのパラメーターが自明となり,応力条件を等価にすることが出来る遠心模型実験手法を用い,破砕を伴いながら衝突と跳躍を繰り返すような落石現象について物理モデル化を行い,その運動形態・衝突現象の解明を試みた. 本実験では,最大8回の落石を発生することが出来る落石発生装置から模型落石を落下し、模型斜面を落体する模型落石の衝突・跳躍現象を高速度ビデオカメラ(5000コマ/秒)により撮影している。なお、模型斜面は斜面勾配を任意に可変することが可能となっているが、自然斜面での落石現象にて様々な落石形態を発生すると言われている40度となるように調整した。 落石の破砕の有無や落石形状の違いが落石軌跡に与える影響について検討を行ったところ以下の結果が得られた. (1)球形タイプの模型落石は破砕しないケースでは落石形態は回転運動のみであったが,破砕する場合には回転運動から跳躍運動に変化する場合も見られた. (2)破砕した破片は大きな跳躍を示した.矩形タイプの模型落石は運動開始後にわずかに跳躍・回転運動した後,すべり落ちていくすべり運動に遷移していた. 今後,落石運動に影響を与える様々なパラメーターについても実験を行い,より高精度な落石シミュレーション手法の開発に努める予定である.特に,落石が破砕する現象は数値シミュレーションにて表現できていないので,破砕現象を考慮したシミュレーション手法の提案を行う予定である.
|
Research Products
(5 results)