2004 Fiscal Year Annual Research Report
化学量論に基づく地球温暖化後の内湾生態系応答シナリオに関する基礎的検討
Project/Area Number |
16656146
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
佐々木 淳 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (50292884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 知也 国立大学法人横浜国立大学, 大学院・工学研究院, 教授 (40143391)
島谷 学 五洋建設(株), 技術研究所, 主任研究員 (40343173)
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Keywords | 内湾環境 / 数値モデル / 生態系モデル / 化学量論 / 栄養塩 / 将来予測 |
Research Abstract |
生態学における化学量論的アプローチは,生態系モデルの各要素における炭素窒素比(CN比)等を環境変動に応じて変化するものとして扱うことにより,これまでと全く異なる物質循環像が見えてくることを示唆している.例えば,植物プランクトンのCN比は環境によって大きく変動するが,動物プランクトンのCN比は変動が小さい.地球温暖化によって水中二酸化炭素濃度の上昇が起こると,それに適応した植物プランクトンのCN比は上昇し基礎生産が増加する.一方,動物は相対的に窒素含量の少なくなった植物プランクトンを餌とするため二次生産の増加は見込めない.さらに,糞中の炭素含有量が多くなるため,微生物による有機物分解速度は低下する.その結果,基礎生産は益々窒素等の栄養塩に律則されるようになり,分解されにくくなった有機物が底質に堆積してヘドロ化を促進する可能性もある.本研究では既往の知見の整理と現地観測により生元素比が各モデル要素ごとに変化する形でのモデル化を行い,本例のような具体的なシナリオを設定して,地球温暖化後の内湾生態系や物質循環への応答と,その地球環境へのフィードバック過程の予測を試みることを目的とする. 生態学分野における動植物プランクトン中の生元素比の環境応答に関する実験的研究の成果を整理することで,モデル化のための基本的なアイデアを醸成した.また,数値モデルに載せていくための項目の整理とデータの指標化を行った.一方,現地観測を実施し,クロロフィルa濃度等の時空間分布を把握し,公的機関が実施している観測結果と併せて整理した.さらに,動物プランクトンやバクテリアを含む東京湾における既往の調査結果を再検討した.
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