2004 Fiscal Year Annual Research Report
高精度洪水流量観測法と観測から得られる河道貯留量考慮した高水計画の研究
Project/Area Number |
16656151
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
福岡 捷二 中央大学, 研究開発機構, 機構教授 (30016472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡邊 明英 広島大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (00240474)
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Keywords | 水面形 / 非定常二次元流解析 / 流量ハイドログラフ / 貯留量 / 治水計画 / 江戸川 |
Research Abstract |
(1)綿密な水面形観測に非定常二次元流解析を併用することで、洪水流量ハイドログラフを高精度に推算することが可能である。このためには、水位観測を時空間的に密に行うことが重要である.観測流量も必要であるが、洪水ピーク付近を含んだ1〜2時間毎の観測流量と洪水初期〜下降期の上下流端における水位ハイドログラフが得られていれば、観測水面形の連続条件を満たすように非定常二次元流解析を行うことで、時間的に連続的な流量ハイドログラフを高精度に推定し、河道内における貯留量の変化や、ピーク流量の変化量を見積もることができる。 (2)流量ハイドログラフの非定常性が強い円山川では、流量ハイドログラフの大きな変形と3%のピーク流量逓減が確認された。数kmという短い区間に対する流量の逓減量はピーク流量に対して数%のオーダーであるため、流量が1%以下のオーダーの精度で正しく観測されていなければ観測流量の差から貯留量を見積もることは困難である。しかし、本研究で示した様に水面形の時間変化を追跡することで貯留量を高精度に見積もることが可能である。 (3)高精度洪水流量ハイドログラフと貯留量を得るのに必要な水位測定の縦断間隔は,通常の緩流河川では(2〜3)kmであることを示した. (4)洪水流の河道内における貯留量、ピーク流量逓減は観測区間に流入してくる洪水ハイドログラフの特性(非定常性、ピーク流量)と河道特性(平面形、横断形、高水敷の粗度等)によって異なる。治水計画において、どのような洪水ハイドログラフを計画洪水に選定するかによって、河道内貯留量の持つ重要性が異なる。そのために、江戸川や円山川の出現洪水について、流域における雨の時空間分布と洪水ハイドログラフの関係をよく調べ、これによって、計画に用いるハイドログラフはどのようなものであるべきかを検討することができる。
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