2004 Fiscal Year Annual Research Report
衛星データを導入した地盤液状化誘因広域逆推定モデルの構築
Project/Area Number |
16656157
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
小島 尚人 東京理科大学, 理工学部・土木工学科, 助教授 (00205387)
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Keywords | 液状化誘因 / 逆解析 / 衛星リモートセンシングデータ / マイクロ波映像レーダデータ / 地理情報 / 共分散構造分析法 / 空間情報統合・分析 / データセット管理 |
Research Abstract |
本研究は「液状化危険箇所評価支援」を最終目的として、衛星データを適用した「液状化誘因逆推定アルゴリズム」を構築するものである。2ヶ年にわたる本研究は、以下の2つの検討項目に大別される。 (1)平成16年度実施内容:共分散構造分析法を用いた液状化誘因逆推定モデルの構築 (2)平成17年度実施課題:液状化危険箇所評価システムの構築 1.実施内容:平成16年度の研究内容は、以下の3点に要約できる。 (1)既往の研究調査:従来までの素因と誘因を扱った液状化危険箇所評価における問題を指摘した上で、液状化誘因広域逆推定の必要性と衛星データ導入の意義を示し、その適用方法を提示した。初年度の検討では、衛星データとして昼夜全天候観測が可能なマイクロ波映像レーダデータ(SARデータ)を使用した。 (2)誘因逆推定モデルの構築:衛星データと各種地理情報等(素因)を「観測変数」とし、誘因情報(地震、地盤強度等)を画素単位では観測困難な「潜在変数」とした。液状化既発生地(教師データ)を従属変数とし、測定方程式から誘因の影響を逆推定するとともに「誘因影響図」を新たに提示した。この誘因影響図が本研究の特色である。 (3)誘因影響分析:衛星SARデータの使用の有無に伴う「誘因影響図」を比較した結果、衛星SARデータを使用した場合には、モデル成立要件である適合度が高まるとともに、誘因逆推定精度の向上に寄与することが確認された。さらに、衛星SARデータの使用の有無に伴う誘因影響図上の違いを抽出した「差画像」を最終成果図として提示し、液状化誘因影響について「危険側・安全側」といった評価が展開できることを示した。実務で活用できる分析アルゴリズムを実現している。 2.今後の展開:平成17年度は、以下の検討を進める予定にある。 (1)誘因逆推定精度の向上と誘因逆分解の可能性検討 (2)液状化危険箇所評価システムの構築(インターネット環境)
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Research Products
(3 results)