2005 Fiscal Year Annual Research Report
環境調和型新技術開発を目的とするコンクリートのナノレベル流動性制御方法
Project/Area Number |
16656164
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
名和 豊春 北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (30292056)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
湯浅 昇 日本大学, 生産工学部, 助教授 (00230607)
|
Keywords | 最密充填 / 未燃カーボン / 充填率 / 高性能AE減水剤 / 凝集・分散 / フラクタル次元 / 立体障害反発力 |
Research Abstract |
本年度は、廃棄物や廃コンクリートから発生する微粉末の代替として、フライアッシュを用いて流動性制御方法について検討した。また、実際に廃コンクリートから再生骨材を製造し、微粉末の発生量について検討した。現在までに得られている結果は以下の通りである。 (1)フライアッシュ粒子の充填構造が流動性に大きく関係し、充填率から流動性を推定できることを明らかにした。一方、未燃カーボンによって粒子が凝集し、充填率およびペーストの流動性が低下することが確認された。 (2)未燃カーボンなどの荷電粒子による効果と、粒子の粒度分布のフラクタル次元から粉体の充填構造を推定することができ、ペーストの流動性の予測が可能になることが判明した。 (3)高性能AE減水剤の分散安定性を、粉体粒子の表面に吸着したグラフト共重合体中のグラフト鎖の伸展力の相互作用から検討し、グラフト鎖の間隔がグラフト鎖単体のランダムコイルが占有する面積より大きいとグラフト鎖は伸長せずペーストの流動性は向上しないことが判明した。他方、グラフト鎖間隔がグラフト鎖単体のランダムコイルが占有する面積より小さいとグラフト鎖は伸長し、グラフト鎖による立体反発力が増大しペーストの流動性は改善した。しかし、グラフト鎖の大きさが主鎖より大きすぎると、主鎖が粉体に吸着しづらくなり、その結果単位面積当たりのグラフト鎖数が減少し流動性が低下することがモデルにより明らかにされ、最適な化学構造が存在することが判明した。なお、グラフト鎖間隔がグラフト鎖単体のランダムコイルが占有する面積より小さいとグラフト鎖は幾何学的な制限で伸長するため、無機イオンの影響をあまり受けないことが推論された。 (4)アトリッションミルを用いて製造した再生骨材は中品質程度のモルタル分を付着したものを用いてもコンクリート性状は良好であり、再生する微粉末量はかなり低減できることが判明した。
|
Research Products
(2 results)