2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656165
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
野口 貴文 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (80208321)
|
Keywords | コンクリート / 圧電 / ピエゾ / セメント硬化体 |
Research Abstract |
平成17年度研究計画に従い実験を実施し、以下の知見を得た。 (1)高効率の圧電効果を発揮するコンクリートの構成材料・調合の検討 コンクリートの組成面からの検討として、圧電効果が大きい物質を混合してコンクリート試験体を作成し、圧縮載荷実験を行った結果、電極の配置方法によって検出できる電流量が異なることがわかった。 (2)高効率の圧電効果を発揮するコンクート部材の構成の検討 コンクリート中に鉄筋を埋め込んだ鉄筋コンクリート部材試験体を作製し、圧電効果に及ぼす鉄筋の影響について実験的に検討した結果、鉄筋の配置方法(加圧方向と平行配置か垂直配置かの違い)によって得られる電流量に差異はないが、鉄筋量の影響は若干認められ、鉄筋量が多いほど得られる圧電効果が大きくなることがわかった。 (3)鉄筋コンクリート構造物の構成材料の電気化学的特性の検討 鉄筋コンクリート構造物を構成するコンクリート、鉄筋およびコンクリートと鉄筋との界面について、それぞれの電気化学的特性を実験により調べた結果、コンクリートと鉄筋との界面はコンデンサと鉄筋の並列回路で構成され、コンクリートにはコイル成分が含まれる可能性があることがわかった。 (4)地面にアース接続された状態でのコンクリートの圧電効果の確認 コンクリート構造物は、通常、地面と接続されているため、電気的にはアース接続された状態であり、発生した電気エネルギーは地面に流れ込むと考えられる。それを確認する実験を行った結果、コンクリートの圧電効果は認められなかった。アース接続された現実のコンクリート構造物から電気エネルギーを取り出すには、今後更なる検討を要することがわかった。
|
Research Products
(1 results)