2004 Fiscal Year Annual Research Report
回転可能な接合部のもつ不安定な機構を活用した施工・安全性に優れた骨組構造の開発
Project/Area Number |
16656166
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤井 明 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (20126155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 健一 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40234041)
橋本 憲一郎 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (40361646)
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Keywords | 回転可能 / 接合部 / 不安定 / 張力 / 安定 / 骨組構造 |
Research Abstract |
まず、回転可能な接合部の検討を行った。接合部の挙動、施工性、経済性、信頼性について比較して、ユニバーサルジョイントを採用した。 1/5縮尺の機構模型を作成し、展開過程を確認した。立方体、並列する二本の柱の長さを変えて片流れの屋根型としたものについては、折りたたみ可能なことが判った。対角線上にある柱の長さを変えて頂面が菱形になるようにした片流れ形状については、模型では折りたたみ可能であった。が、数値解析を行ってみたところ、厳密には折りたたみ不可能であることが判明した。ジョイント部や、頂面の微少な変形が誤差を吸収して、折りたためていたのである。そこで、可能性の範囲をひろげるために、柱下部と接合部とは、長さ調整が可能な収まりとして、検討を進めることとした。 次に、2.5m立方の実物大模型を作成して、組み立て・解体の実験を行った。人力で組み立て可能だが、挙動の自由度が大きいために、3人以上の人手が必要であった。安全性に関しては、部材を著しく軽量にできるために、問題はなかった。 計画学的な性能要求に合わせて、様々な形状のブレースを試作して張力導入試験を行った。対角線方向に壁面に一筆書きを描くように、最少四本のブレースを入れれば、この立方体構造は安定する。他面のブレースを増やせば、一面のブレースを撤去可能だが、二面以上は不可能である。ブレース形状を工夫すれば、入り口を確保できる。内部空間に関しては、機能的に問題はなかった。窓の形状は、今後の検討課題である。 実物大模型に様々な方向から荷重をかけ、張力導入後の構造的な挙動をみた。必要最低限の4本のブレースであっても、強度は十分であった。軽量なため風荷重に対しての浮上防止策は必要である。 既製品の組合せ部材に替えて、回転可能な接合部、柱、梁部材を開発・設計し、2.4m立方の実物大模型を作製した。この実物大模型に対して、より詳細な構造試験を行っている。
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