2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656168
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
和田 章 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (90158684)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 弘安 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (80205749)
山田 哲 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助教授 (60230455)
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Keywords | 工学歴史 / 建築構浩 / 耐震工学 / 技術者責任 / 技術伝承 / 失敗工学 |
Research Abstract |
1.諸外国も含め産業革命以来の科学技術の発達、その成功のもとにおいても起きる失敗・事故、失敗を繰り返さないための方策、技術者教育の問題などを含め広く調査し、この進歩の中に活動する技術者の役割、義務、責任を深く考察している。 2.科学および技術は蓄積され、ますます精緻に大型化して行くことに対し、人間のスケールは変わらず、個々の人は0歳からの蓄積によって成長せざるを得ず、人間そのものは進歩しないことが問題である。扱う対象・プロジェクトの規模に比べた個人の大きさ、過去からの蓄積によって成立っている科学技術の奥深さと個人の蓄積との関係、プロジェクトにおいて扱われる莫大な費用と個人の収入の関係においても、その比は100倍以上10,000倍にもなる。企業の利益追求と個人の良識が互いにぶつかり合うこともあり得る。この中におかれた個人としての技術者がプロジェクトの進む各段階で、間違い無く判断し、正しく行動できるための社会システムの構築が必要である。耐震構造学の分野で考えると、建設地において、設計上考えている大地震動の再現期間は数百年を越え、人間の一生の長さに比べて長すぎる。扱う建物の総工事費は数百億円となり、個人の生涯収入の100倍以上になる。使う資材も膨大であり、その製作、組立、施工のすべてを掌握することは非常に難しい。設計から施工までの各段階でやるべきことを間違いなく行い、新しいアイディアを出しつつ、より良いものができていくためには、携わる個人個人の知識、熟練度、能力、熱意などが基本になる。蓄積される技術を次の世代に伝えるためにマニュアルが作られるが、膨大なマニュアルによってのみ高い技術レベルが保持できるとも思えない。 3.このような問題は法治国家の歴史が長く、産業革命から250年のヨーロッパにおいて、問題となっているはずである。初年度はヨーロッパのいくつかの国の調査を行った。
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Research Products
(5 results)