2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656175
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
長谷見 雄二 早稲田大学, 理工学術院(理工学部), 教授 (40298138)
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Keywords | 局部火災 / 角型鋼管 / 力学的応答 / 有限要素法 |
Research Abstract |
これまでの研究により、局部火災時の柱部材の温度分布までは火源条件が与えられれば予測が可能となっている。次の段階としては、これら温度分布を入力条件として部材の力学的挙動を予測し、架構の安全性を評価することが目標となる。この力学的応答予測には有限要素法などの数値解析が適用できようが、解析結果の精度の検討に使用できるような、局部火災を想定した柱部材の力学的挙動に関する研究事例は見受けられない。そこで、実際に局部火災加熱を受ける鉄骨角柱の載荷実験を行い、その挙動を把握することとした。実験は拘束条件や加力条件を変えて4種行われ、水平変形形状の推移、柱頭での熱応力拘束力、鉛直変位の推移などを把握した。これらから、部材内の温度分布が定常状態に近づいた後に生じる水平変形形状の推移は、鉛直拘束力や鉛直変位等鉛直方向の力学的挙動に対してはあまり影響を与えないことなどを明らかにした。 さらに、これら実験結果をもとに力学的挙動予測のための有限要素モデルの確立を目的とし、上記の各実験と同じ条件で柱の挙動を有限要素法にて再現することで、熱膨張率や材料特性の設定、解析方法などを検討した。解析は実験で計測された温度分布をモデルへの入力条件とし、実験ごとの拘束条件にて構造解析を行った。その結果、柱頭に軸力が加わる条件では、水平方向の変形形状の推移については実験と解析との間に差が見られるが、実験と同様、鉛直方向の拘束力や鉛直変位等材軸方向の力学的挙動に対して水平変形形状はあまり影響を与えないことが確認された。また、試験体温度分布がある程度定常状態に近付いた後の鉛直方向の拘束力ならびに鉛直変位に関しては高い精度での予測が可能で、さらに座屈荷重を求める解析では、局部座屈が生じた後の挙動に差があるものの、局部座屈発生時の軸力値はよく一致し、誤差は10%以内であった。座屈後の挙動に差があるのは、鋼材の材料特性である温度ごとの応力-ひずみの関係の設定に問題があると考えられる。
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Research Products
(2 results)