2005 Fiscal Year Annual Research Report
シナリオ・アプローチによる住民参加型ニュータウン再生システムに関する研究
Project/Area Number |
16656181
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高田 光雄 京都大学, 工学研究科, 教授 (30127097)
|
Keywords | シナリオ・アプローチ / 住民参加 / ニュータウン / 再生手法 / アイデアコンペ / 分譲集合住宅 / 区分所有者 / 意識構造 |
Research Abstract |
本研究では、建物の老朽化や居住者の少子高齢化が進み、現在、衰退を余儀なくされているニュータウンの再生に向けて、居住者の主体的参加による問題解決と有効な意思決定を促す支援ツールとして、シナリオ・アプローチによる居住者参加型のニュータウン再生システムを開発することを目的とする。今年度では、2005年1月〜3月開催された「明舞団地マンション再生アイデアコンペ」のモデルとなった分譲集合住宅を調査対象とし、ニュータウンにおける団地再生に対する区分所有者の意識構造を把握した。 研究の方法としては、第一に、アイデアコンペで示された再生手法を団地・住棟・住戸レベルに分けて整理し、アンケート調査の対象となる再生手法を抽出した。第二に、調査対象の団地の区分所有者に対するアンケート調査を2005年6月19日〜26日に実施した。アンケート票の項目は、家族構成、現在の住まい、住環境の評価、団地再生手法の評価などであった。第三に、アンケート結果の分析にあたっては、まず、区分所有者の属性と住環境の評価結果を整理した。次に、各レベルの再生に対する回答結果を考察した後、再生手法の評価結果に対して数量化III類を行った。 その結果、団地レベルの再生において、区分所有者はある程度の建替えを伴い余剰床を生み出し、その分譲収入で費用負担を減らす再生手法を選好する傾向が強く、住棟レベルの再生において、区分所有者は居住性への配慮や工事・維持管理上の容易性を重視した再生手法を選好する傾向が強く、住戸レベルの再生において、区分所有者は現在の空間構造を維持しながら、部分的に水周りや居間を拡大し、住戸の狭さを改善する再生手法を選好する傾向が強いことが伺えた。また、数量化III類による分析により、区分所有者が重視する立場を表す軸が現れ、そこには区分所有者の属性により異なる傾向があることを明らかにした。
|
Research Products
(1 results)