2004 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的な直下型地震による伝統的な社寺建築の構造被害に関する耐震工学的な研究
Project/Area Number |
16656188
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西澤 英和 京都大学, 工学研究科, 講師 (70127116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 常人 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00142018)
藤澤 克樹 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (40303854)
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Keywords | 伝統木造建築 / 現地測定 / 建築史 / 振動 / 波動 / 修復 / 薬師寺 / 本願寺 |
Research Abstract |
本年度は分担研究者との協力のもと下記の項目について研究調査を行い、所期の成果を収めた。 1)安政奈良直下型地震による社寺建築の被害に関する調査研究 明治30年の古社寺保存法の施行により奈良県でも上代建築の根本修理に着手された。当時の工事内容の詳細は不明な点が多いが、聞き取り調査の成果として薬師寺東塔の明治大修理にかかわった佐脇棟梁の末裔を探すことができ、複数の古社寺建築の修理前の図面を発掘した。この他に藤本民次郎棟梁の子孫からも未整理の古図面を入手した結果、大きな構造損傷が安政奈良地震による可能性の高いことを検証し、現在図面の詳細分析を続けている。 2)古社寺建築の現地振動観測 今年度は基本的な伝統的な社寺の構造を有するものとして、薬師寺の回廊に注目して、その振動特性について現地にて観測を行なった。また、平行して国宝薬師寺東塔と同復元西塔に多数の振動計を設置して、両塔の同時観測を継続的に実施。この際、新たに試作した小型起振装置を用いて精密な動特性を調べると共に、理論解析により検証。 3)社寺建築の部分モデルによる構造実験 法隆寺伽藍回廊の約1/2縮尺の梁間桁行き各1スパンのモデルを製作し、その復元力特性及び減衰性能を詳細に調べるために、デジタル制御型機械式加力装置を用いて実地震に対するオンライン地震応答載荷実験を系統的に実施。さらに、衝撃応答ならびに強制変位後の自由振動時の減衰についての実験に着手した。
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