2005 Fiscal Year Annual Research Report
歴史的な直下型地震による伝統的な社寺建築の構造被害に関する耐震工学的な研究
Project/Area Number |
16656188
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
西澤 英和 京都大学, 工学研究科, 講師 (70127116)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山岸 常人 京都大学, 工学研究科, 助教授 (00142018)
藤澤 克樹 東京電機大学, 理工学部, 助教授 (40303854)
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Keywords | 伝統木造建築 / 現地測定 / 建築史 / 振動 / 波動 / 修復 / 鐘楼 / 知恩院 |
Research Abstract |
伝統的な木造鐘楼の振動性状に関する実験的研究 {薬師寺鐘楼}固有周期=梁間方向は2.00Hz、桁行方向は2.62Hz、鐘自体の固有周期は0.68Hzであった。剛性=梁間方向は3.94ton/cm、桁行方向6.76ton/cm。梁間方向の人力加振は減衰して定常状態に戻るまで約50秒程度かかる。減衰率h=0.0078。ねじれ振動=卓越周期は梁間1.89Hz、桁行2.50Hz、捩れ2.19Hzとなった。桁行方向人力加振での減衰率はh=0.0010と梁間方向より少し大きい。起振機加振実験漸増加振=最大応答値は2.16Hzで固有周期(2.00Hz)に近かった。鐘による起振実験=鐘は加振が終わった直後から一定の速さで減衰しているが架構は一度振幅が増幅してから減衰していく。鐘の卓越周期は0.63Hzで、架構の卓越周期は0.63Hzと1.91Hzとなった。鐘打突時の架構の速度は最大値1kine程度、加速度は200〜300gal程度であった。{金戒光明寺鐘楼}卓越周波数は、撞木側構面は1.35Hz、それ以外の構面は1.46Hzであった。鐘の固有周波数は0.30Hz。撞木側構面は大きな捩れを伴う併進運動となり、その直交構面は大きな捩れのない併進運動であった。楔締め直し後=撞木側構面は1.42Hz、その他の構面は1.53Hzの卓越周波数となった。減衰定数=楔締め直し前は梁間方向平均h=0.0095。楔締め直し後はh=0.0080と少し小さくなった。剛性=楔締める前は梁間方向は8.89ton/cm、桁行方向は7.40ton/cmであったが、楔締め後はそれぞれ9.50ton/cm、8.18ton/cmになった。{知恩院鐘楼}常時微動測定結果=楔締め前後で、梁間方向1.46Hzから1.52Hzに、桁行方向1.35Hzから1.42Hzに変化した。振動モード=1.52Hzで打突方向の併進運動。1.42Hzでは直交方向の捩れを伴った併進運動となった。鐘の打突=応答速度は小屋組0.8kine、台輪0.6kine、地覆0.7kine。加速度は吊り金具直交方向で1127gal、鐘釣梁400gal、台輪150gal。
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