2004 Fiscal Year Annual Research Report
透過型電子顕微鏡内のその場観察用簡易型雰囲気ホルダーの開発
Project/Area Number |
16656194
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
坂 公恭 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (90023267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上野 武夫 日立サイエンスシステムズ, 主幹研究員
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Keywords | 透過型電子顕微鏡 / 雰囲気ホルダー / 酸化-還元 |
Research Abstract |
透過型電子顕微鏡内その場実験は、固体や液体などの凝縮系内での反応に関しては多くの成果を得てきている。たとえば、析出、マルテンサイト変態、再結晶などの固体内反応のみならず、融解・凝固、固液界面の観察など他の方法では得られないユニークな成果を得ている。一方、固体-気体反応は、極めて多くの重要な反応を含んでいるにも拘わらず、透過型電子顕微鏡そのものが高真空の装置であるため、透過型電子顕微鏡の鏡体や試料室周りの大規模な改造を必要とするため、世界的に見てもこれまでごく一部のグループを除いてほとんど実施されてこなかったというのが実情である。 本研究では、透過型電子顕微鏡の鏡体や試料室などの本体を大幅に改造することなく、試料ホルダーのみを改造することによって、固体-気体反応を透過型電子顕微鏡内でその場観察することを可能ならしめる簡易型透過型電子顕微鏡用雰囲気ホルダーを開発し、2,3の固体-気体反応野観察に適用した。 固体-気体反応は高温での反応が特に重要なため、最高温度は2000℃(2273K)で、気体の圧力は2x10^<-4>Torrで、分解能は0.2nmが得られた。 この装置を用いて酸化鉄の還元と酸化過程を高分解能観察、電子線エネルギー損失分光、及びエネルギー分散型X線分析棟を併用して、詳細に追究し、貴重な方法を得ることに成功した。また、半導体工業において区岩目手重要な、還元雰囲気における除去とその後の酸化雰囲気における熱酸化膜の形成を原子レベルで観察することにも成功した。
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