2006 Fiscal Year Annual Research Report
X線共鳴磁気小角散乱による誘起磁気アイランド構造の解明
Project/Area Number |
16656195
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
奥田 浩司 京都大学, 国際融合創造センター, 助教授 (50214060)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
落合 庄治郎 京都大学, 国際融合創造センター, 教授 (30111925)
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Keywords | 自己組織化ナノドット / GISAXS / 共鳴散乱 / FePt |
Research Abstract |
本年度はテンプレート材料としての強磁性ナノドット組織の発展過程の時間発展過程の評価とともに、それを定量化するための要素技術として必要な、寄生散乱強度低減のための全真空専用GIAXS測定システム構築とその評価、ならびに強度規格化手法としての反射率/GISAXS同時測定法の検討を進めた。 Fe基合金のナノドット形態変態過程の評価については、約0.4Tの磁場中でのその場加熱の可能なIn-situGISAXSチャンバを作成し、強磁性ナノドットの自己形成過程の実時間観察を試みた。テンプレートであるFe-Pt, Fe-Pd系合金においては規則不規則変態温度は熱力学的に組成に敏感であることが予想されるため、RBSにより厚さ2ナノメートル程度の初期膜厚の金属の組成分析を行なったのちIn-situ測定をおこなった。 ほぼ一様な薄膜からの磁性ナノドットの形成過程において、面内サイズの増加と面直方向のサイズの増加はほぼ同時に進行しており、その動力学としては初期核密度が保存される特性波長をもつ組織形成とはことなる成長様式であることが明らかとなった。詳細に見ると面直方向のサイズの増加はやや遅れるが、ほぼ同時期に飽和にいたり、その後は間接的な粗大化となるため変化は極端に遅くなった。一方、このような構造について定量データを取得するための全真空GISAXSを、専用チャンバーを作成してSPring8のBL13XUの空きハッチに搬入し、予備測定実験を試みた。試料としてはナノドット構造としてはほぼ完全に近い基板、キャップ層構造を前提とできるSi基板上のGeナノドットを標準分室として用いた。全真空化により、GISAXS特有の問題である寄生散乱除去が原理的に不可能である点については大幅な改善が見られることが明らかとなったものの、絶対値化の高精度化に必要な強度標準のとり方について、まだ試料電場強度の校正手段となる反射率との十分な精度での対応に課題があることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)