2004 Fiscal Year Annual Research Report
CVD法で合成した多孔質チタニア/骨形成因子複合体による骨誘導インプラントの開発
Project/Area Number |
16656197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
笹野 泰之 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30196191)
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Keywords | 有機金属錯体化学気相析出法 / CVD法 / チタニア / 骨形成因子 / 複合体 / 生体インプラント材料 / チタン合金 / ECRプラズマ |
Research Abstract |
本年度は、インプラント材を作製する前段階として、Ti(O-i-C_3H_7)_2(dpm)_2を原料としたMOCVD法によりチタニア膜の合成をおこなった。基板温度や全圧等の合成条件と得られた膜の結晶構造、微細組織、成膜速度との関係を明らかにした。また、熱処理による膜の微細構造の変化および熱的安定性を明らかにした。 基板温度=723Kでは、(004)面配向したアナターゼの単一相が生成した。基板温度=773Kでは、ルチルの主相に(004)面配向したアナターゼが存在した。723K〜873Kでは、アナターゼの主相と少量のルチルが生成した。基板温度=873K、全圧=0.6〜0.8kPaでは、(200)面に配向したルチルの単一相が生成した。基板温度=923〜1073Kでは、アナターゼとルチルの混合相が生成し、それぞれ(101)と(110)面に配向していた。混合膜のアナターゼの含有量は温度の上昇につれて減少し、873Kでは最小値になったが、その後温度の上昇に伴って増加した。アナターゼは数nmの粒状結晶であったが、ルチルは柱状晶(約200nm)を示した。温度の上昇につれて柱状晶がより発達した。ルチル単一相の成膜速度は約20μm/hであり、アナターゼ単一相の成膜速度は1μm/hであった。 基板温度=723K、全圧=0.8kPaで合成した直後のアナターゼは約5nmの結晶粒により構成されたが、1273Kでの熱処理後では約50nmに成長し、1373K後では結晶が膜の横方向に成長して約500nm、厚さ50nmの板状結晶に成長した。1273Kでの熱処理後でも相変態は認められずアナターゼであったが、1373Kの熱処理後ではルチルに相変態した。従来報告されているアナターゼ/ルチル変態の最高温度は約1100Kであることから、本研究で得られたCVDアナターゼ膜は、優れた熱的安定性を示すことがわかった。
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Research Products
(4 results)