2005 Fiscal Year Annual Research Report
CVD法で合成した多孔質チタニア/骨形成因子複合体による骨誘導インプラントの開発
Project/Area Number |
16656197
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
増本 博 東北大学, 金属材料研究所, 助教授 (50209459)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
後藤 孝 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (60125549)
佐々木 啓一 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30178644)
笹野 泰之 東北大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (30196191)
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Keywords | CVD法 / チタニア / 骨形成因子 / 骨誘導インプラント / 複合体 / OCP / DCPD / ヒドロキシアパタイト |
Research Abstract |
本年度は、インプラント材として動物実験への導入が可能な金属チタン基板を用いてチタニア膜の合成を行った。チタンの生体適合性は、チタンの表面酸化膜(チタニア膜)の状態により変化することが知られている。本年は、RFプラズマなどに比べてプラズマ密度や電子温度が高い高活性なプラズマであるため、低温で高品質な酸化が期待できる電子サイクロトロン共鳴(ECR : Electron Cyclotron Resonance)プラズマを用いて、金属チタン表面をECRプラズマ酸化することで、チタニア膜を合成した。得られた膜の酸化条件と結晶構造およびリン酸緩衝溶液を用いた生体適合性との関係を調べ、ECRプラズマ酸化による高結晶性のチタニア膜が、生体活性の向上に期待できることを明らかにした。 ECR酸化時間60分において、酸化温度300℃以下ではアモルファスのチタニア膜が得られたが、400〜600℃でRutile相のチタニア膜が得られた。酸化温度の上昇にともない、Rutileピーク強度の増加が見られた。 得られたチタン酸化膜被覆基板をリン酸緩衝溶液に浸漬し、温度25℃、pH7で試適濃度のCaおよびP溶液を注加することで、骨や歯のヒドロキシアパタイトの前駆物質であり、その合成物は優れた骨形成能を示すことが確認されているOCP(Octacalcium phosphate)およびDCPD(Dicalcium phosphate dihydrate)の析出が認められた。酸化温度の増加にともない、石灰化後のOCPおよびDCPDピークの強度は増加した。酸化温度600℃においてECR酸化したチタン基板の石灰化後の基板表面には、石灰化によって多くの析出物が認められた。ECRプラズマ酸化による高結晶性のチタニア膜が、生体活性の向上が期待できることがわかった。
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Research Products
(4 results)