2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656200
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 満 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 教授 (30151541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
京免 徹 東京工業大学, 応用セラミックス研究所, 助手 (10323841)
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Keywords | ペロブスカイト / 圧電体 / 超弾性体 |
Research Abstract |
セラミックス圧電体は多くの物質が鉛を含むため、環境汚染防止の観点から圧電体の開発が望まれている。また鉛に換わる元素としてビスマス系酸化物の開発も進行しているが、ビスマスも環境に対しては鉛と同程度の毒性をもつため、長期的視野に立てば非鉛系・非ビスマス系圧電体開発が急務である。本研究ではこのような新材料開発を目的として材料探索を開始した。従来の圧電体開発は既存の材料の元素を置き換えるという発想に基づいて行われているため、限られた構造と限られた元素を対象としてきた。しかし、より広い考えから物質探索を行うには他分野の研究とその基本設計理念を取り入れながら研究を進める必要がある。このような観点から本研究では、金属材料のうちで最も変形が大きな超弾性体に着目して物質探索を開始した。超弾性は金属のマルチンサイト変態を利用したものであり、現実に可逆的のびは9%にも達する。この超弾性を酸化物設計に取り込み、まず組織全体としての伸び易さに着目して超弾性を示しうる化学物群を拾い出し、それらのうちから候補物質を絞り込むこととした。このため、いわゆる圧電体となる700の候補物質から点群、空間群、および相転移温度に着目して約200の物質系に絞り込んだ。本研究に関連してより広い視野から設計を進めるため、2005年1月に強誘電体・圧電体研究を専門とする研究者を招聘してシンポジウムを開催した。 これらの結果をもとにいくつかの物質系の合成を試み・組織および圧電性を調べた。
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