2004 Fiscal Year Annual Research Report
Si上の光-電子融合デバイス集積を目指したβ-FeSi_2エピタキシャル薄膜合成
Project/Area Number |
16656202
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
舟窪 浩 東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 助教授 (90219080)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋山 賢輔 神奈川県産業技術総合研究所, 電子技術部, 技師(研究職)
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Keywords | β-FeSi_2 / エピタキシャル薄膜 / 光-電子融合デバイス / Si上 |
Research Abstract |
β-FeSi_2はSi基板上にエピタキシャル成長させることが可能なこと、優れた半導性を持つこと、石英ファイバー通信に用いられる1.55μm帯域で発光すること、さらに高い吸収特性を持つことから、光電子融合デバイスをすべてシリコン上に集積させることが可能な次世代半導体のキー材料として期待されている。申請者はこの注目材料であるβ-FeSi_2が、高い熱的・化学的安定性のあるYSZ基板上にエピタキシャル成長することを世界で初めて見出した。本研究はこの成果を基に、 1)Si基板上、YSZバッファー層へのβ-FeSi_2のエピタキシャル成長法を確立する 2)得られた薄膜に関して、その発光・受光基礎特性を明らかにする ことを目的とした。 初年度は、主にSi上の薄膜のエピタキシャル成長法の確立と、その構造解析を行った。 (111)Si基板上のL-FeSi_2薄膜は、(101)・(110)配向していることが確認された。極点評価結果から、薄膜は面内に3回対称のドメインが存在することが明らかとなった。また・-FeSi_2 202及び220回折ピークのロッキングカーブ半価幅は、0.34°であり結晶完全性の高い薄膜であった。 この作製膜をX線逆格子マッピングを用いた測定を行い、格子歪み及び軸間の角度の定量評価を行った結果、作製膜中のβ-FeSi_2は斜方晶を維持し、直接遷移型にバンド変調するほどの格子歪を持たないことが明らかとなった。また,β-FeSi_2(406)/(460)面の逆格子マッピング評価より(101)配向ドメインと(110)配向ドメインの割合は、(101)配向ドメインが45%,(110)配向ドメインが55%と見積もられた。
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