2004 Fiscal Year Annual Research Report
通電加熱による紫外発光酸化亜鉛結晶の新規作製法に関する研究
Project/Area Number |
16656203
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Research Institution | Nagaoka University of Technology |
Principal Investigator |
高田 雅介 長岡技術科学大学, 工学部, 教授 (20107551)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡元 智一郎 長岡技術科学大学, 工学部, 助手 (60313566)
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Keywords | 酸化亜鉛 / 通電加熱法 / 結晶成長 / ウイスカー / 櫛状結晶 / 触媒担持 / 紫外発光 / 格子欠陥 |
Research Abstract |
特殊な形態と優れた結晶性を有するZnOから室温での紫外レーザー発振が報じられたことから、ZnOは光機能材料として脚光を浴びている。我々はZnOセラミックス線材を通電加熱した場合に、その表面に様々な形態を有するZnO結晶が成長する現象を見出し、この現象を利用した新規な結晶成長法を通電過熱法と名付け、研究を行ってきた。 本年度は、Auを担持したZnOセラミックスを通電加熱することにより得られるZnO結晶の形態と発光特性の評価を行った。Auを担持したZnO線材を空気中において通電加熱した場合、成長方向の揃った櫛状のZnO結晶が成長した。この結晶からZnOの格子欠陥に起因する緑色発光とZnOのバンド端付近の紫外発光が観測された。また、紫外発光は、線材の相対密度が低いほど強くなることがわかった。これまで、空気中の通電加熱により得られる結晶では、緑色発光が支配的であったのに対して、相対密度が低い線材にAuを担持することにより、発光特牲の改善に成功した。 また、Au触媒を堆積させた基板と通電加熱法を組み合わせた新規結晶成長法を開発した。Ar雰囲気において、板状のZnO結晶やZnOウィスカーが多数確認された。Auの膜厚が小さい場合には、ZnOウィスカーが基板に垂直に配向して成長することがわかった。Auの膜厚が大きい場合には、非常に長いウィスカーが絡み合うような形で成長していた。発光特性の評価から、Auの膜厚が大きくなるにつれて紫外発光が支配的となる傾向が得られた。 通電加熱法そしてその応用手法は、ZnO結晶の簡便な製造方法として提唱できる。また、櫛状結晶や基板に垂直に配向したウィスカーは、各種のセンサや光機能デバイスに応用できる。これらのことから、本研究は、学術的に高い価値を有するだけではなく、将来の社会に大きく貢献することが期待できる。
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