2004 Fiscal Year Annual Research Report
相分離現象を利用した酸化物ナノワイヤーセンサアレイの作製
Project/Area Number |
16656205
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
安盛 敦雄 東京理科大学, 基礎工学部, 教授 (40182349)
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Keywords | ケイ酸塩 / 相分離 / 結晶化 / セリア / ワイヤ / センサ / 半導体 / 電気伝導度 |
Research Abstract |
ケイ酸塩系ではナノ・マイクロ領域の分相構造を有するガラスを作製でき、さらに延伸操作により分相組織を伸長させることも可能である。このような分相組織を持つガラス材料を結晶化させることにより、超微粒子が配列したナノワイヤーアレイが実現できると考えられる。この材料をセンサに用いれば、ガス透過性を維持したまま半導体の微小粒径化による高感度・高速応答性と、ガラスの易成形性による小型化が実現できると考えられる。 そこで本研究では、酸化物半導体超微粒子からなるナノワイヤーアレイ材料を作製し、その電気伝導特性およびセンサ特性を評価することを目的とした。平成16年度は、安定不混和領域が確認されているCeO_2-SiO_2系において、第3成分としてAl_2O_3を添加した焼結体およびガラスを作製し、分相・結晶化挙動、電気伝導・センサ特性を評価し、酸化物半導体超微粒子ナノワイヤーアレイ材料の作製の可能性の検討を行った。 その結果、作製した溶融・急冷試料では、どの組成でも結晶相としてCe_2Si_2O_7の析出が認められ、またSiO_2成分の割合が高くなるに従って、ガラス化が進行することが分かった。Al_2O_3添加が分相組織に及ぼす影響を調べた結果、Al_2O_3の添加量を増加させるに従って、分相組織が微細化・均質化することも分かった。大気中にて試料の電気抵抗を測定したところ、焼結試料、溶融結晶化試料ともに電気伝導度の対数が温度の逆数に比例しており、半導体特性を示すことが分かった。また、センサ特性の調査として、窒素・空気を交互に流通させ、異なる酸素濃度下での電気抵抗の測定を行ったところ、窒素流通下では試料の電気抵抗値は下がり、空気(酸素)流通下では上がった。従って流通ガスの種類に応じて電気抵抗値に数MΩのオーダーで変化が現れることから、試料が酸素濃度に対するガス応答性を示すことが分かった。
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