2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656206
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Research Institution | Yonago National College of Technology |
Principal Investigator |
青木 薫 米子工業高等専門学校, 物質工学科, 助教授 (30270317)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小田 耕平 米子工業高等専門学校, 機械工学科, 教授 (90043611)
田中 晋 米子工業高等専門学校, 建築学科, 助教授 (40311063)
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Keywords | PCN化合物 / リン酸メラミン / 熱分解 / アモルファス / 誘電体 / 比表面積 |
Research Abstract |
リン酸とメラミンから生ずる錯体であるリン酸メラミンの熱分解挙動の検討の過程で見出した、新規なPCN三元系化合物の組成および物性に関して検討を行った。 出発物質であるリン酸メラミンは、リン酸とメラミンの混合比が1:1および14:1の条件のもと、363Kの熱水中で加熱溶解し、徐冷することにより得た。得られた針状のリン酸メラミン結晶それぞれを、アルゴン気流中、873Kで熱分解することにより、平均組成がそれぞれP_1C_3N_<2.4>O_<0.4>およびP_1C_3N_<2.5>O_<0.3>であるPCN化合物を得た。得られたPCN化合物はいずれもアモルファスで明確な結晶外観を持たず、薄黄色を呈した。窒素を用いたBET多点吸着測定を行った結果、得られた化合物には細孔構造は発達していないことが明らかになった。また、その比表面積は、組成によらずほぼ一定で、およそ2m^2/gであった。得られた化合物を一軸加圧によりペレット状に成型し、Auにより端子を付与して、四端子法を用いて電気伝導度測定を行った。いずれの試料でも、測定開始直後から端子間抵抗が急激に上昇し、抵抗測定が不能になるか、抵抗が大幅な上昇下降を繰り返す現象が確認された。また、端子間に電圧を一定時間印加した直後の試料について、端子間電圧の時間変化を測定したところ、電圧が指数関数的に減衰する現象も確認された。以上の現象から、今回得られた2種のPCN化合物は、アモルファス誘電体であると考えられる。蒸着によるPCN化合物の薄膜化を試みたが、蒸発過程でCおよびNの脱離が起こるため、蒸着による薄膜化は困難であることが明らかになった。
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