2004 Fiscal Year Annual Research Report
完全無容器処理による球状高品質バルク酸化物単結晶の超高速育成に関する研究
Project/Area Number |
16656207
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Research Institution | Japan Aerospace Exploration Agency |
Principal Investigator |
荒井 康智 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・ISS科学プロジェクト室, 研究員 (90371145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
余野 建定 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・ISS科学プロジェクト室, 研究員 (40358750)
石川 毅彦 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙環境利用科学研究系, 助教授 (00371138)
依田 眞一 独立行政法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究本部・宇宙環境利用科学研究系, 教授 (00344276)
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Keywords | ガス浮遊法 / サファイア単結晶 / 球状単結晶 / 無容器法 |
Research Abstract |
1.常圧環境での単結晶合成用チャンバーの仕様を決定した。CCDカメラ、放射温度計、レーザー加熱方法は既に論文として報告した[1]。最も重要な仕様は、レーザー加熱方向とガス流量調整方法であった。レーザー加熱は、試料の被加熱部をなるべく最小にする為にレンズで0.5mmφ程度にフォーカスさせた。また、照射方向は、浮遊試料の中心に垂直に照射される様に光学系の調整を随時実施した。試料位置を安定させる為に、ガス流量調整したが、新たな技術的課題を発見した。より温度勾配を付ける為にガス流量を増加させると、軸方向の回転が強く誘起される事が判明した。この軸回転を有効に利用すると、スピン安定性による浮遊試料の位置安定性向上等の発展性が考えられる。 2.研究課題であったサファイア球状単結晶化は、常圧下にて合成に成功した。完全単結晶化の課題であった、未溶融部である種結晶部を単結晶化する為に、一旦結晶化させ室温まで冷却した後、球状試料を手動で上下をひっくり返し、単結晶させた部位を種結晶として再度同様の手順で凝固させた。単結晶化の確認の為に、合成された試料を全く研磨加工せずにラウエ写真を撮影した。成長軸方向と平衡にX線を入射させた実験結果は、サファイア単結晶のC軸方向で観測されるラウエパターンと一致した。この結果より、得られた試料は、単結晶として成長した単一バルク球状結晶であることを確認した。単結晶化が可能な理由は、次のように考察している。成長方向に対して、成長界面が凸型でなければ単結晶は成長しない。浮遊状態では、周囲が気体であり、ガズが最初に吹付ける種結晶部以外では気体が加熱され熱伝導率が低下する。一方で、結晶化部分は熱伝導が相対的に大きいため、この領域から熱が抜けると考えられる。 [1]Y.Arai et al., Rev.Sci.Inst.75,2262,(2004).
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Research Products
(1 results)