2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656217
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
吉成 修 名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (10134040)
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Keywords | 水素透過膜 / 拡散 / 金属間化合物 / 第一原理計算 / 溶解度 / 透過係数 / 水素 / 気体分離 |
Research Abstract |
本研究では、多くの金属間化合物の中から水素拡散と水素溶解度の大きい物質を探索し,高い水素透過能をもつ膜の実現性を追求することを目的としている。本年度は、第一原理計算法により金属間化合物の水素透過性能を予測するとともに、いくつかの金属間化合物について気体透過法により水素透過性能を評価した。また、比較対照のためbcc型不規則合金についても同様に、第一原理計算と気体透過実験を行った。 (1)第一原理法による水素ポテンシャルの計算 前年度の研究から構造が単純な化合物ほど拡散が速いことがわかったので、種々のB2構造について第一原理の手法で水素に対するポテンシャルを計算した。この結果、水素の占有位置および水素の溶解熱からある程度透過性能を予測できることがわかった。 (2)bcc型金属間化合物の水素透過能の測定 気体水素透過測定装置を用いて数種類の金属間化合物について透過性能を評価した。第一原理計算の結果と比較することにより、計算による水素の占有位置および水素の溶解熱からある程度透過性能を予測できることを明らかにした。 (3)B2型金属間化合物の水素透過性能 計算および実験の結果、数多くのB2型化合物うちでも水素透過性能がよいものはかなり限られることがわかった。また、計算上透過性能が非常に優れている化合物であっても、実用温度で構造が不安定であったり、定比組成のものが得られないなどの理由で、透過性能の十分でない場合があった。しかし、これらについても合金成分の調整を行うことで高性能な透過材料となる可能性が残されている。 (4)bcc不規則合金の研究 不規則合金についても第一原理計算と気体透過実験を行った結果、合金化が水素透過に及ぼす影響の機構を明らかにすることができた。また、これらの合金でも水素脆性を抑えることができれば高性能な透過膜として使用できることが明らかとなった。
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Research Products
(3 results)