2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656220
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
西田 稔 熊本大学, 工学部, 教授 (90183540)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加賀山 朋子 大阪大学, 極限科学研究センター, 助教授 (40274675)
森園 靖浩 熊本大学, 衝撃・極限環境研究センター, 助手 (70274694)
松田 光弘 熊本大学, 工学部, 助手 (80332865)
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Keywords | A15型化合物 / 超伝導 / Ti_2Pd化合 / 電気抵抗測定 / 帯磁率測定 / 状態図 / 包析反応 / 共析反応 |
Research Abstract |
本研究の端緒となった690±10℃においてβTi+Ti_2Pd→Ti_3Pdで表される包析反応によって生成するA15型Ti_3Pd化合物の電気抵抗・帯磁率を測定し,本化合物がTc=3.4K以下で超伝導を示す第2種超伝導体(上部臨界磁場H_<cl>=1600e,下部臨界磁場H_<c2>=3,700Oe)であることを確認した.次にIV〜Va(Ti, Zr, Hf, V, Nb, Ta, Cr, Mo, W,以下A元素と総称する)-貴金属(以下B元素と総称する)系合金においてA_3B化合物の探索を行なったが,Zr, V, Cr, Mo-Pd系において低温で生成可能な超伝導を示すA15型化合物の生成を確認することは出来なかった.そこでTi_3PdのTiの一部をIV〜Va元素で置換し単相化合物の形成範囲を調査した結果,ZrはTiに66.6原子%程度まで固溶し単相化合物が得られた.現在,電気抵抗等の物性測定を行い超伝導特牲に及ぼすTi/Zr比の影響を調査している。 本研究のもう一つの主題であるIV〜Va-貴金属系合金の平衡状態図の再検討についてはZr-Pd系合金の等原子比近傍からZr過剰領域の状態図を再調査し,拡散対法と多相平衡法により従来の状態図に記載されていない825±10℃における包析反応Zr_2Pd+ZrPd→Zr_<52>Pd_<48>および770±10℃における共析反応ZrPd→Zr_<52>Pd_<48>+Zr_9Pd_<11>の存在を明らかにした.Zr_<52>Pd_<48>化合物は本研究で親規に発見された化合物であり,現在,X線回折,電子回折によって結晶構造等の同定を行なっている.以上のようにIV〜Va-貴金属系合金平衡状態図には未知の不変系反応が存在する可能性が大きく,次年度も引き続きA15型A_3B化合物の探査とあわせて調査を行なう.
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