2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16656222
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
米山 俊夫 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (00372318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊一 東北大学, 多元物質科学研究所, 教授 (30162431)
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Keywords | レーザー冷却 / 高密度単色原子ビーム / セシウム原子 |
Research Abstract |
本年度は、原子ビームの精密制御を行うための準備段階として、2台のFM変調した半導体レーザーを用いて、熱的に発生させたセシウム原子ビームの単色化(速度幅の狭帯化)を行った。当初、1台目のレーザーで予備的に減速させ、2台目のレーザーでさらに減速を行い、単色原子ビームを安定に発生させる2段階減速法を検討していたが、2台目の減速用レーザーを用いても、希望する速度幅での高密度単色原子ビームの安定発生は得られなかった。そこで、真空チャンバーの改造を行い、2台目のレーザーを1台目のレーザーに対向して照射できるようにした。過減速した原子を2台目のレーザーで加速させ、高密度単色原子ビームの安定発生を試みた。得られた原子ビームの速度幅は、現状の測定分解能(約15m/s)程度であり、希望する速度幅(数m/s程度)の原子ビームが得られた可能性は高い。正確な速度幅は、次年度にTOF測定法を用いて行う予定である。また、減速、加速用のレーザーをともにFM変調でスペクトル幅を広くしたため、広範囲の速度を持つ原子を加減速でき、得られた原子ビームは中心速度を速度純度の高いままでチューニングできる。理論上、中心速度が速く、速度の広がりが小さい原子ビームは、光の勾配力を用いた原子レンズを用いた場合、より小さなスポットに絞り込むことができる。そのため、本年度に得られた高密度単色原子ビームを用いれば、次年度に計画している原子ビームの集光をより高分解能に行うことが出来ると予想される。
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