2005 Fiscal Year Annual Research Report
気相成長ナノ粒子直接照射による酸化物ナノコンポジット機能材の低温高速成膜法の開発
Project/Area Number |
16656226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
節原 裕一 大阪大学, 接合科学研究所, 教授 (80236108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 和生 京都大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50335189)
藤山 寛 長崎大学, 大学院・生産科学研究科, 教授 (20112310)
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Keywords | ナノコンポジット / 酸化物ナノ粒子 / 誘導結合プラズマ / 内部アンテナ |
Research Abstract |
本研究では、ナノ粒子をビーム状に基板へ直接照射しながらマトリックス材の同時成膜を行う新しい成膜技術を独自のプラズマ生成法を利用して開発すると共に、微細構造に及ぼすナノ粒子ビーム照射効果を明らかにすることを目的とし、酸化物ナノコンポジット機能材の低温高速成膜を目指している。3年間の研究計画の2年目にあたる本年度は、プラズマ源の制御と粒子プロセス系の開発に重点を置いて、以下の研究を行った。まず、マトリックス材の形成に用いる内部アンテナ型誘導結合プラズマ源の制御性について調べた。プラズマの均一性を制御する上での基礎として、単一の低インダクタンスアンテナによる放電特性を調べ、プラズマ密度分布がアンテナからの距離に対し指数関数的に変化し、複数のアンテナの重ね合わせにより大面積プラズマ源での分布制御が可能であることを明らかにした。また、プラズマの生成効率について調べ、アンテナの形状と共にインピーダンス整合回路を含む高周波電力供給系の最適化が重要であることを明らかにした。さらに、上記のプラズマ源に付加するナノ粒子プロセスとして、誘導結合型プラズマノズルを用いたナノ粒子プロセス系を構築し、放電特性と共にナノ粒子の相構造に関する制御性について調べた。高密度プラズマを高効率で生成するため、誘導結合による放電モードの維持条件を調べ、放電気体圧力ならびに解離性気体混入割合が高い領域では、より高い高周波電力を供給することが不可欠であることが明らかになった。また、高密度の希ガスプラズマを用いた酸化物ナノ粒子における六方晶系(低温相)から立方晶系(高温相)へ相構造の改質では、プラズマへの酸素混入の重要性を示唆する結果が得られた。
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